[散乱文章]その九十七
高く聳えるのは、バベルの塔か?それとも、ユグドラシルだろうか?
東京都墨田区。地下鉄の押上駅から地上に出て振り返ると、大迫力の鉄塔が立っている。言わずと知れた東京スカイツリーである。麓には、ソラマチというショッピングモールが広がり、はとバスツアーの客が休む間もなく運ばれてくる。
今や一大観光地となったそこに、初めて訪れたのはたしか2年ほど前のこと。足元の施設内にあるイベントスペースで好きなアニメの原画展をやっていたのだ。
その時は、登ることが目的ではなかったので、当然展望台には登らず。次に訪れたのは、友人と観光で。しかし、その時も予算の都合で断念された。そして、今年の5月。ゴールデンウィーク恒例の家族旅行にて、ついに私はそのタワーに登った。
速度の早いエレベーターは、三半規管に影響を及ぼしたが、内装に凝ったものでなかなか楽しかった。展望台は二つあり、上の展望台に行くには、さらに別料金が必要だったが、そこは旅行の主催者たる叔母も心得たもの。きっちり家族全員分を支払ってくれた。
登った先で見た光景は、きっと生涯忘れ得ぬものだろう。
巨大な雲が空の中をのんびり泳ぐように浮かび、その影が地上のビル群にハッキリと見える。まるで、SFアニメのワンシーンかのようだという印象を受けた。悪役の軍人が空飛ぶ戦艦から地上を見下ろし、部下の報告を受ける……というのはきっとラピュタの影響だろうな。あ、いや、エヴァか?などと考えつつ、人の流れに従って歩く。気圧の変化により、若干の頭痛を覚えたが、貴重な体験が出来た。毎年の旅行を企画してくれる叔母家族に感謝。
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