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りばいばる#031 最大の難関・オランダの家探し

これは2016年11月23日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。

遡ること2016年8月末。
子供達の通う、オランダ語約50%~70%、英語30%~50%のバイリンガル校が決まり、学校近くの家を探すミッションに突入しました。
こちらの投稿を参照

初めての海外の家探し。
一度も現地へ下見に行くことなく住む家を決めることに。

まず夫婦どちらかが現地へ視察へ行き、家探しも含め、1ヶ月前後現地に滞在したり、とにかく現地に入って民泊などを利用しながら毎日不動産回りをするという方もおられるみたいですが、我が家は経費削減に加え、4人の子供を連れて不動産回りをするなんて不可能だということと、片親だけで1ヶ月も面倒見るなんてことも不可能という判断で、家が決まってから家族全員丸ごと移動というのが暗黙のうちに決まっていました。

オランダの家探しは、我が家の場合、日本と同じくHOME'SやSUUMOの様な、住宅物件専用サイトで地域を絞り、条件を入力し、検索して打診するというスタイルとなりました。

オランダの物件検索サイト fundapararius、などですね。

オランダの2大物件検索サイトを教えてもらい、自分達なりに検索しながら、サイトの使い方や言語などのコツをつかんでいきます。

日本のように「3LDK」(3部屋+リビング・ダイニング・キッチン)という呼称はないようで、「3 rooms(2 bed rooms)」というように部屋数は表記され、リビングが部屋数に含まれていたり含まれていなかったり、サイトによってまちまちですが、はっきりと物件の住所は記載されてあります。

家賃は月ごとで、管理費が別の物件があったり、日本でいう敷金であるデポジット(保証金)が家賃の2ヶ月分~数ヶ月分まで物件によって様々に設定されています。

物件は外観から内部まで、掲載されている写真を閲覧しながら見て行くのですが、高層マンション等の近代的なマンションももちろんあるのですが、レンガ造りでとんがった屋根に大きな窓という、いわゆるヨーロッパな家が多数存在していて「本当にこんな街に住めるのかな?」と疑問を抱くぐらいファンタジーで素敵な家々にちょっとテンションも上がり気味になります。

全体的に日本より広さがある分、家賃も高めの印象です。世界一平均身長が高い国だからでしょうか?

コンサルの際の「じゃあそこにします。」の宣言通り、子供達の通う学校も「デルフト」という街に決めた為、学校の近くを探します。
テーマは「学校に自転車で通える距離」です。

日本の家から娘達がバスで通った幼稚園まで約3kmだったのでその距離感をイメージしつつ、まだ自転車に乗れない長女と次女が練習しながら自転車で通うと想定すると、学校まで2km前後が望ましいと考え検索しますが、ヒットする物件がほとんどない状況でした。

オランダは夏休み明けが新学期ということで、8月~9月にかけてが日本でいう3月~4月の引越シーズンに当たるからということが一つの大きな要因でした。

それと、最初は家族6人狭くて安い物件で身を寄せあって暮らして行こうと、手狭で家賃の安い物件をメインに探していたのですが、写真で見たり平米数で見ると、日本と比べても充分な広さがあるにも関わらず、オランダは家族の人数に対して広さや部屋数が制限されているという事実が発覚!(不動産屋やオーナーによります。)

これは外国人だからとかいう差別的なことではなく、文化として当たり前に浸透していることだと教えてもらいました。

日本ではワンルーム以外の物件であれば、家族何人ですという申請は特に必要ない気がするのですが、オランダでは、この物件は何人までです!という様に厳しく設定されていることもあり、4人の設定のところに6人家族で申し込んでも取り合ってもくれない所がほとんどだそうで、契約時の人数よりたくさんの人数で住んでいることが発覚すると追い出される可能性もあるとか。

実際の事例は現時点で聞いたことがありませんが。

この辺りのことが、プライバシーを重要視している → 個々の人権を尊重している → 子供も個の人間として認めている → 子供が幸せな国No.1という構図なのかな?と、勝手に解釈しています。

遠からずと言ったところだと思いますw

ということで、3bed rooms以上で探して下さいと言われ、検索にかけたところ、ほんの数件のヒット。しかし家賃が最低でも日本円で約18万円~!!!!

ムリムリムリムリ!これじゃあすぐ資金が底をついてしまう!と、何とか掘り出し物件がないか探すも、部屋数制限の壁が厚く、早くも10万円以内の家賃に家族6人で住むというのは不可能だという現実にぶち当たってしまいました。

2020年12月現在、ファミリー物件で1,250ユーロ(約15万6千円 1ユーロ=約125円の場合)以上〜が最低ラインです。

家賃の予算を15万円までアップし検索するも、学校近くで条件に合う物件は見つからず、範囲を拡げ検索しても自分達が写真で納得できて、家賃が見合う物件がなかなか見つからない状態が続きました。

ちなみに、オランダでは賃貸物件より売り物件の方が6~8倍も多く、日本のように新築からどんどん価値が下がっていくのではなく、古い物件であればあるほど価値があり、購入した時と価値が変わらないか、むしろ高く売れることもあるという事実にかなり驚きました。

不動産投資に最適!?

確かにヨーロッパの街並は古いレンガ造りや石造りの大きな建物が建ち並んでいるイメージで、アンティーク、つまり骨董品の様な価値を建物にも用いるのが文化なのかな?と解釈しました。

一説には何人もの人が住んでこそ、その建物が良いという証となり、価値が上がっていくということで、新築物件には誰も住みたがらないとか。

それは言い過ぎかもでしたw

そんなこんなで8月末~9月中旬にかけて、毎日新しい物件情報が更新されないか絶えずサイトをチェックし、気になる物件が出ればURLをメールで送り、不動産屋に確認してもらうという日々が続きましたが、ことごとく6人家族NGだったり、タッチの差で別の方に取られたりとかなり苦戦を強いられていました。

オランダは慢性的な住宅不足という情報もあり、不動産業界は寝ていても勝手にお客の方から寄って来る状態らしく、もう熱意とスピードと運の世界です。

日本人優遇措置が生きている内、年内に移住出来ればと漠然とした目標があり、8月末の時点ではまだまだ時間があるなと思っていたのですが、9月中旬頃になって家探しの苦戦のお蔭でだいぶん焦りが出て来てしまいました。

そんな中、デルフトの隣町「Rijswijk(ライズヴァイク)」にある物件が6人家族OKということで、内覧の予約を入れたという連絡をもらいました。

その物件は1階がスーパーの比較的新しいマンションで、家賃が約12万円ほど(レート1ユーロ=116円として)で、別途管理費みたいなものもかかる様でしたが、写真で見る限りきれいで広い物件でした。Google Mapで計ると学校までの距離は10kmちょっとあり、毎日の子供達の送り迎えのことを考えるとだいぶん距離が離れてしまいますが、年内移住目標の焦りの為、そこに決める方向で話を進めました。

しかし、現実的に考えて毎日約10kmの往復の送り迎えはかなりの負担です。
コーディネーターさんに、家の近くでもう一度学校を選び直すというご提案も頂きましたが、色々調べた結果、編入OKをもらっているバイリンガル校に行かせたい、そこは妥協しない考えでした。

やはり距離の近いところを重視して、最悪民泊などを利用して納得出来る家探しをしよう!と、もう出発する日を先に決めよう!と腹をくくりました。

最近ではAirbnbという民泊サイトが巷で賑わっていて、教えてもらうまでその存在すら知らなかったのですが、検索してみるとかなり素敵な民泊施設が多数存在していて、海外でこういう所に泊まるという経験もまた乙なものだなと考えを切り替えて、妻の両親の休日に合わせ、大安だった2016年10月24日(月)に出発日を設定しました。

美容ディーラーの締めが毎月20日なので、ギリギリまで仕事をすると仮定したのと、ヨーロッパは12月からクリスマスシーズンで、中旬頃からみんな休日モードに入り始め、いろんな機関があまり機能しないと聞いたので、海外引越の船便が約1ヶ月ちょっとかかることや、なるべく寒くない内にと逆算して10月末頃出発が一番ベストだと判断しました。

出発日の航空チケットを確認するとまだまだ空きがあったので安心しつつ、出発までまだ時間があるので引き続きサイトでの家探しを続けたところ、先にオランダ入りの腹をくくった翌日、デルフト駅前に良い物件が上がって来たのを発見したのですぐに連絡を取りました。

不動産屋に確認を取ってもらい、コーディネーターさんが子供3人とウソの機転を利かせてくれたそうで、すんなりOKで、早速内覧の予約が取れたので今からすぐ行って来ます!との返事が。

ウソをついてくれたことが若干引っかかったのですが、この時は家を決めたい一心でスルーしました。が、後にちょっとした亀裂に発展することに。
やっぱりウソはいけません。

家賃約14万円。広さ約100㎡。5階建てのマンションの4階部分(1階がレンタルオフィスで、3階の表記になります。)広いリビングにきれいなキッチン、部屋数はリビングとは別に3部屋。デルフト駅の真ん前で、何より学校までの距離が約4km!

妻と2人で「きたー!!!」と速攻OKを出し、この物件を押さえることが出来ました。

腹をくくれば、そのように動き出すものです。

以前にも記載しましたが、自分の意志が固まり、迷いが吹っ切れると自然と道は開けて行く。久々に気持ちの良い瞬間でした。この好機をバネにオランダ生活の迷いや不安を吹き飛ばして突き進んでやろうと思える出来事でした。

慣れない英語の賃貸契約書のやり取りも終わり、初めての海外送金で、オランダの不動産屋に、賃料1ヶ月分・保証金2ヶ月分・不動産手数料を無事送金でき、(10/24からの入居ですが、10月分を払うということが条件でした。)めでたくオランダでの家が決定しました。

さあもう本当に後には引けなくなりました。オランダで収入を得なければ!

このコロナの影響で随分賃貸物件には空きが出ているという噂もありますが、物件価格は高騰しているとも言われています。

現在は日本での給与3ヶ月分の給与明細などの提出が必要だったり、家賃の3倍程の収入が証明出来ないと契約出来ない物件や不動産屋も増えており、当時と比べて家探しのハードルが上がっています。

とにかく住所を持たないことには始まらないので、オランダ移住は家の契約で決まる!と言っても過言でないかもしれません。

オランダサポート_20201128

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