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りばいばる#057 オランダで初めての三者面談

これは2017年2月16日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。

長女と次女の通う小学校がもうすぐ春休みに入るこの時期に三者面談が行われました。

英語が中学レベルの僕は役不足なので当然妻が担当しますが、他の娘達の子守りの為に学校へ行くとパパもどうぞという流れになったので、最近移住されて娘さんが同じ学校に通うことになった日本人の方に少しの間子供達を見てもらうことにして四女は抱っこしたまま面談に参加することになりました。

いつもはあまり見かけないお父さん達も夫婦揃って面談に臨む姿が多く見受けられ、日本と違い父親がその時間に合わせて仕事などを調整して駆けつけるというのは特に珍しいことではないというのと、子供達の学校の様子を担任の先生から直接聞きたいという姿勢を父親から感じ取れるのもオランダらしいんだなと思いました。

三者面談とは言え7歳の長女は遊んでていいよということになったので、僕と妻と1歳8ヶ月の四女と長女の担任の女性の先生とで初の面談が始まりました。

先生が丁寧な英語で話してくれているのが分かるのですが僕のヒアリング力が非常に乏しく、スピードアップしていく会話にほとんど付いて行けず、まだオランダ語でコミュニケーションが取れない長女を先生がかなり気にかけてくれているというニュアンスしか汲み取れませんでした。

「うちの子は大丈夫。」というポジティブ思考から来る根拠のない親バカ的自信により特に何も心配していなかったのですが、面談が終わり家族全員で車に乗り込むと妻から思いも寄らない話を聞かされることになりました。

入学時、校長の意向により合間合間でオランダ語をフォローしながらやっていくという指向でカリキュラムを進めてくれているのですが、長女は「どうせオランダ語の授業を聞いても分からない」と決めつけてしまっている様で、先生の方を見ようとせず話を聞こうという姿勢が感じられないということ。

外での遊びの時間も一人でいることが多く、友達が寄って来ても拒絶するような態度を取ることもしばしば。

体育で鬼ごっこをしたりするとみんなと一緒に走り回っている時もあれば隅っこで一人で座ってしまっていることもあるということ。

日本で少し先に教わっていた算数になると先生の説明を聞かず先さき自分のペースで進めていってしまい、他の子がどこをやっているかなどお構いなしで協調性がないということ。

移民文化なので最初は言語が分からない生徒はたくさんいるのでよくある話ではあるが、先生の方を向いてくれないと何もコミュニケーションが生まれないので今はどう接していいか先生自身が悩んでしまっている状態だということなどを聞かされ、想像を遥かに上回る長女の酷い態度に妻はショックを隠しきれない様子でした。

2016年の11月頭に入学してから初めは年下のクラスに混じってスタートし約1ヶ月程で上のグループに移り、冬休みなどを挟んでそれから約2ヶ月程が経ったのですが、毎朝クラスに入っていく長女を観察しているとやはりオランダ語がしゃべれない劣等感なのか焦りなのか、周りの子達とコミュニケーションを取ることに抵抗があるらしく、「ハ~イ」と挨拶されても無言で手を振るぐらいしかリアクションが出来ず、そういう場面に遭遇する度「もっと大きくリアクションせえっ!もっと積極的にいけっ!」と少々強引なアドバイスを送ったり、ずっと教室で見張るわけにも行かず長女が自ら切り開くしかないと我慢して見守る状態が続いていました。

学校でオランダ語レッスンに参加している妻がふと外を見るとポツンと一人で居る長女を発見し気をもんだりすることも多いらしいのですが、家ではその日に習ったオランダ語のことや体育の授業で鬼ごっこをやったことなどを話してくれたり、迎えに行くと仲良くなった現地の友達と手をつないで校舎から出て来たり、心配でちょくちょく学校のことを尋ねるとこちらに気を遣ってか「楽しい」と答えてくれていたので、徐々に馴染んでいるのかな?とオランダ語が自然と口から出るまで時間が解決してくれることを望んでいる状態でした。

車中では妻が長女へ怒りの説教です。

「いつか日本に帰れるとでも思ってるんか!? えー加減腹くくらんかいっ!!」

その言葉にこちらも背筋がピンっとなります。
そうなんです。長女も僕も「日本語はしゃべれるもん。オランダ語覚えて役に立つの?」とどこかで甘え、逃げていたのです。

想像よりも深刻な自体に我が家でも長女に対して修正が必要だと妻と対策を練ることになりました。

まず、今までは生活基盤を整えることに手一杯だったので娘達の教育に関しては自然と学校に丸投げしていたのでそこの改善から。

まだ長女は7歳なので半ば強制的な指導が必要だという結論に至り、明日から授業は先生から目を離すな!言葉が分からなくても先生の話を注意深く聞くようにと指図し、外遊びの時間も仲良くしてくれている友達から離れず付いて回る様指図しました。

先生曰く、親も積極的に意見を言うのがオランダ流ということで、こうして欲しいという要望等があればその都度言ってくれて構わないとのことで、僕等に流れる根深い日本人精神が故に学校のやり方・先生のやり方に口出しすべきではない、任せるべきだという思い込みも極力無くす努力をし、早速次のタイミングで長女の座席を前の方にして欲しいと先生に伝えました。

長女の面談の翌日が次女の面談で、こちらも同じく参加させてもらいました。

次女は5歳でとてもシャイながら友達とは上手くやっているようで、とりあえずは一安心でしたが、長女同様オランダ語などを口に出すことが皆無に等しく、共通しているのは自信のないオランダ語を口に出すのは抵抗があるという部分でした。

日本語が備わり始めてこれから読み書きも合わせてぐんぐん吸収していく時期にいきなり他言語で日本語の通じない環境に放り込まれた子供達の気持ちは計りかねますが、ここはもう強制的に習得してもらうしかありません。

この日から長女とは帰ってからオランダ語の練習アプリを使ってゲーム感覚で一緒にオランダ語を学んで行く習慣をスタートさせ、長女と次女に朝学校に行ったらとにかく元気よくオランダ語で先生や友達に挨拶し、何でもいいからオランダ語でリアクションするということを促しました。

ずっと見張っておくわけにはいかないので、迎えに行ったらすぐ今日は元気に挨拶出来たか?間違ってもいいからオランダ語を発したか?と確認する癖をつけていくように心掛けるようにしました。

早い段階で先生に問題提起してもらったことに感謝し、見えない壁を乗り越えオランダ語が自然と口から出て友達や先生とのコミュニケーションがスムーズにいくように出来る限りサポートしていきつつ、自分も少しでもオランダ語を習得出来る様努力していこうと思います。

今読み返すと勝手にオランダに子供を連れて来ておいて、自分たちには経験のないことなのに子供を叱る、ひどい話ですw
まあ何とかしてくれようとがんばってくれている先生に対する、人としての態度を怒っているのですが。

移住間もないあるあるで、連れて来た子供の年齢が高ければ高い程、全く新しい環境への拒否反応は出てしまいがちなのかもしれません。(もちろん子供の個々の性格にもよります。)

当時、娘たちが通う小学校は2人担任体制で、三者面談の際も2人の担任がそれぞれの目線で話してくれたりと、複数の目という素晴らしい制度だなと思っていたのですが、オランダ自体慢性的な教師不足だそうで、現在はそれぞれの先生が二つの学年を掛け持ったりしながら入り組んだフォーメーションで学校を運営しているのが見て取れます。

子供一人一人のことをしっかり考え、しっかり見てくれているのが伝わるので大変感謝しています。

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