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りばいばる#117 オランダの駐車禁止事情

これは2018年1月17日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。

オランダは駐車禁止やスピード違反など交通ルールに非常に厳く、駐禁に関しては緑のおじさんならぬ、地域によって異なるカラーのユニフォームを着たおじさんおばさん時々若い人が定期的にチェックしに来たり、監視カメラが作動していたり、先日遭遇したのは車の屋根にナンバーのスキャニングマシンを搭載した駐禁見回り専用車がストリートを通過して行ったりと、街の中心部に限らず路地に至るまで一秒たりとも気が抜けません。

交通違反等の罰金はCJIBというオランダの法務安全省の一部に当たる機関に払い込むシステムになっており、交通違反を侵した地域の管轄機関からレターが届きます。

取り締まりの厳しさから、違反金が重要な財源の一部だということを物語っています。

先日はデルフト駅前の我が家のマンション前の歩道スペースに車を停めて、3階の我が家のトイレに行った一瞬の隙にブルーの制服の怖い顔をした取り締まりスタッフが僕の車をチェックし始めたのに妻が気付き叫んだので、慌ててトイレから飛び出して窓から「Noーーーーー!!!!!」と叫んで、ズボンを上げながらマンションの階段をダダダダッーとすごい勢いで駆け下りていきましたが、無表情のおばさんスタッフに無慈悲にも駐禁を取られてしまいました。

「ちょっとトイレが我慢できへんかったから自分の住んでるマンションの前に一瞬停めただけやんか!ちょっとぐらい多目に見てーや!」という気持ちを込めて「ヘルプミー!アイハブノーマネー!」など思い付く限りの同情を請う中学英語を並べてみましたが、ほとんど聞き取れない早口の英語で、おそらく「不服があるなら駐禁の書類が届くから、それから異議申し立てするように。とにかくこの場所は絶対停めてはいけない場所だから。」というようなことを言いながら淡々と処理を進めるので、そばにいた直立不動でその様子を見守っている部下の様なもう一人のヒゲを蓄えた大男の顔を懇願するように見ましたが、

「彼女に目をつけられたら何があっても無理なんだよ。悪いけど俺にはどうしてやることも出来ないんだ。許してくれ小さなアジア人・・・」というような心中をその表情から察知し、そのおばさんに「クソ◯◯◯!!!」などの放送禁止罵詈雑言を浴びせそうになるのを必死にこらえ、泣く泣く切符を受け取りました。

ものの5分で罰金99ユーロ(約13,000円 1ユーロ 約130円の場合)。痛すぎます。

地下駐車場があるにも関わらず横着してしまった報いを見事に受けました。悔し過ぎて未だに引きずっています(苦笑)

前にも書きましたが、オランダは車にナンバーが固定されていて、住居に駐車場がない場合は自宅付近のエリアに路駐するのですが、車庫証明がない替わりにその地域の市役所へナンバーを申請し、少しのお金を払って駐車許可登録を取る必要があるそうです。(郊外に行くと無料の所も多数あります。)

集合住宅などの敷地内の屋外駐車場も自分のスペースは固定されておらず、空いている所に停めるのが普通です。

このスペースが自分の陣地という様な概念がない為、全く空いていなかったらどうするんだ?と考えてしまいがちですが、なんやかやで必ずどこかは空いていて、部屋数と駐車スペースの数のバランスが良いということも言えるでしょう。

ただ慣れるまで割と長い間違和感が拭えず、ここに停めていいのかな?といつもおっかなびっくりでした。

アムステルダムなんかは住居同様駐車スペースも取り合いで、一説には住居の近くのいい場所に車を停められたら、車を動かしてその場所を取られるのが悔しいので車を使わなくなるという本末転倒なエピソードをアムステルダムの中心地に長くお住まいのマダムに教えて頂きました。

最近はカーシェアリングも主流のようです。

登録エリア以外で路上駐車する場合は、基本的に近くにあるパーキングメーターみたいな装置に車のナンバーを打ち込んで、どれぐらいの長さ停めておくか、事前に自己申告制で支払います。

車を停めた場所からパーキングメーターが結構遠い時があって、メーターまで行って精算するまでの間に駐車禁止の見回りが来たらどうしようといつもハラハラしていました。

最近ようやく近所にお住まいのIさんに教えて頂いた「Parkmobile」という携帯アプリを使うようになりました。

登録すれば駐車スタートから終わりまでスマホでワンタッチになり、月毎にまとめて登録銀行口座から引き落とされます。

パーキングメーターに書いてある4ケタの数字をアプリ内で選択して使用します。

登録車両でなく、駐車料金も払っていない車があると突然自宅に書類が届くか、見回りスタッフの持っている端末から排出される細長いレシートをビリっと切ってフロントガラスにワイパーで挟んで駐車禁止の切符を切られることになります。

どういう仕組みか分かりませんが、パーキングメーター&携帯アプリとナンバーをスキャンする端末が連動しているハイテクシステムの様です。

2017年6月末、プライベート観光でご依頼頂いたお客さん達とマルケル湖に浮かぶマルケンという浮き島に伺ったた際、観光地ということもあり、パーキングメーターでしっかり事前精算し、領収書を財布にしまって行こうとするとお客さんが「領収書を見える所に置いておかなくて大丈夫ですか?」と気遣ってくれたのですが、「経験上問題ありませんよ。」と威勢良くキメて、少し散歩して一緒にお茶を頂いてから車に戻ってくるとフロントガラスに紙が挟まっていて、駐車禁止罰金70ユーロと書かれていました。

うそーーーーーん!!!!!

かなり動揺してしまいましたが、よくよく見るとパーキング料金を支払っていた時間内に駐禁を切られており、これは異議申し立てしてみるいい機会だということで、一旦罰金を払い、役所に駐禁の用紙とパーキングメーターの領収書の現物を郵送し、併せて異議申し立ての英文とコピーしておいた書類の画像をメールでも送りました。

約1ヶ月後ぐらいにレターが来て「今度からパーキングチケットをフロントガラスの見える所に置くように。」という注意と共に、めでたく支払った罰金が口座に返金されました。

この時の達成感とうれしかった気持ちの大きかったこと(笑)

とにかく住民以外駐車禁止エリアや侵入禁止エリアも多数存在するので要注意なのと、駐車禁止は確実に取られるものとしてお気を付け下さい。

デリバリーや引っ越しの際など、アプリを起動させる時間すらもったいないと思ってしまったり、ちょっとの間ならと気を抜いたりして、何度か駐禁を切られてしまったりと、本当に厳しいので要注意です。

オランダサポート_20201128

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ドライバーサービス_20201123

デリバリーサービス_20201123


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