令和6年司法試験 再現答案 行政法

いろいろ意味不明であった。完全にパニックになった。不出来である。

行政法
第1 設問1
1 小問(1)
(1) 本件事業計画変更認可が取消訴訟の対象となる処分(行政事件訴訟法3条2項、以下「法令名」省略。)に当たるか。処分とは、公権力の主体たる国又は公共団体の行為のうち、その行為によって直接国民の権利義務を形成し、その範囲を確定することが法律上認められているものをいう(①公権力性、②直接具体的法効果性)。
ア まず、本件事業計画変更認可は公権力の主体たるQ県の行政長たるQ知事は、優越的地位に基づき国民の意思を問わず一方的に本件事業計画変更認可を行なうものであり、①公権力性が認められる。
イ 次に直接具体的法効果性が認められるか。問題文中の判例(最高裁昭和60年12月17日)は、土地区画整理組合の設立認可について、事業施行権限を持つ強制加入団体の設立行為であることを理由として、直接具体的法効果が生じるとして処分性を認めた。もっとも本件事業計画変更認可ではB地区組合の組合員には変更がなく、かかる判例の射程がそのまま及ぶことはなく、同判例の理論では②直接具体的法効果性を認めることはできない。
(2) しかし、そもそも、市街地再開発事業においては自己の宅地の価格に応じ権利変換が行われ、これを希望しない者には資産の価値に相当する金銭の給付を申出ることができる(法11条1項、19条1項、71条1項)。そして、かかる事業計画変更認可が新たな施行地区の編入により、その後行われると、当該変更の認可(法38条1項)の広告(同条2項、19条1項)があった日から30日以内に従前の申し出を撤回し、又は権利変換を希望しない旨の申し出をすることができることになる(法71条5項)。そうすると、ある特定の事業計画変更認可の区域に属する者に対して、このような自己の財産を金銭給付を希望することができるか、または権利変換を申出るかを選択することができる財産権(憲法29条1項)の変動という具体的法効果を生じさせるものといえる。よって、②直接具体的法効
果性を認めることができる。以上のことから本件事業計画変更認可は処分性を有するものと考えられる。
2 小問(2)
(1) まず、本件事業計画変更認可は縦覧及び意見書提出手続が履践されていないことが手続上の違法があると主張する(法16条)。Q県の担当部局は、本件事業計画変更認可が「軽微な変更」(法38条2項括弧書き)に当たると判断し、縦覧及び意見提出手続(法16条)を行っていない。軽微な変更とは都市再開発施行令第4条1項各号に当たるものをいう。まず、本件事業計画変更は、Eの所有するC地区を本件事業の施工地区に編入するものである。
そうすると、まず、施行令1号における設計の概要の変更には当たらない。そして、2号における、建築物の設計の概要の変更で、最近の認可にかかる当該施設建築物の延べ面積10分の1をこえる延べ面積の増減を伴わないものにも当たらない。そして3号から5号にも該当しないことが明らかと言える。よって軽微な変更でないにもかかわらず、縦覧及び意見書提出手続が履践されていないことはいほうである。なお、上記に置いて要件裁量は問題とならない。なぜなら、施行令4条は軽微な変更に当たるものを限定列挙したものであり、これに該当するか否かを文理的にあてはめるべきだからである。
(2) 次に、C地区は公園として整備される予定となっている。そこでC地区は「一体的に開発し、又は整備する必要がある土地の区域について定めること」という都市計画基準(都市計画法13条1項13号)を満たさず、法3条4号の定める施行区域の要件を充足していないことが違法であると主張する。都市計画法13条1項13号の一体的に開発し又は整備する必要がある土地とは、B地区と距離的にも機能的にも一体的に開発整備する必要があり、両社が一体となってその土地の利用機能を向上させる必要ある地域をいう。B地区とC地区はR市内に存在するが、両土地は河川を隔てており物理的に解離していると言える。また、C地区は河川沿いの細長い形状の空き地であり、地区周辺の人通りも少ない利用価値
の乏しい土地と言える。そして、C地区とB地区の移動は橋が架かっているという事情もなく人の流入も期待できないし、A駅方面へ行くのにも不便な立地と言える。そうすると、B地区が利用にとって、C地区が公園として整備されてもB地区と一体的な機能を有する公園ということにはならず、またC地区は単独の公園としてみても、利用者の乏しい利用価値の低い公園にすぎない。そしてかかるC地区が編入されたのはEがR市長やB地区組合の理事に対して働きかけを行った結果であり、都市計画法13条1項13号の要件を充足していないにもかかわらず編入されたことは明らかである。そうすると、C地区を編入したB地区が土地の高度利用を図り、当該都市計画の機能にこうけんするということはできず、法3条4号に定める施行地区の要件を充足することはない。以上のことからかかる違法が存在する。よってDは本件事業計画変更認可が上記の違法自由が存在すると主張することができる。
第2 設問2
1 本件取消訴訟で、本件事業計画変更認可の違法性を主張することができるか。
(1) 取消訴訟の排他的管轄、公定力の観点から原則として処分の違法は格処分の取消訴訟において主張すべきであり違法性は承継されない
(2) もっとも、先行処分と後行われる処分が同一目的を有しており密接関連性があり、先行処分を争う上での手続保障が与えられていないと言える場合には、後行処分において先行処分の違法性を主張することができると考える。
2(1) 先行処分には、本件事業計画変更認可は縦覧及び意見書提出手続が履践されていないことが手続上の違法が存在する(法16条)。これは究極的に権利変換に向けられたものであり密接な関連を有するものと考えられる。これに対して、の反論として、6ヶ月がすぎていることからもはやかかる処分の取消訴訟を提起できず、Dは本件事業認可の広告(法38条2項、19条1項)を知ることができたから、かかる縦覧及び意見書提出手続について
も知ることができたのであり、そうであるにもかかわらず、本件事業計画変更認可の取消訴訟を行っていないことからもはや手続保障が不十分であったとは言えないとの反論が考えられる。手続保障が充足されたかは制度自体から、先行処分を争うことを期待できたか否かの点をも判断すべきであり、Dとしては、計画が変更されたからといって、この時点で争うことを常に期待できるとは言えないこと、また計画変更が必ずしも処分と言えるかは明確ではないからこれについて取消訴訟を提起して争わせることを期待することはできず、手続保障が充足されているとはいえない。よって違法性は承継し本件取消訴訟でこれを主張することができる。また、一体的に開発し、又は整備する必要がある土地の区域について定めること(都市計画法13条1項13号)、や法3条4号の要件についても、究極的には権利変換に向けられており、共通の目的といえ、密接関連性を有する。そしてこれらはDが知ることができなかったのであり、手続保障が不十分であったと言える。そうすると違法性は承継され後行処分でこれを主張することができる。
以上

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