ドイツ語髭文字(フラクトゥール)
ドイツ語の髭文字をご存知だろうか?昔からドイツ語の文字として使われていた文字体で、かなり芸術的な風格を感じさせるものである。だがヒトラーが政権を取ったあたりから現在の一般的なアルファベット文字へと変更された。
細かい歴史については私の専門とするところではないので割愛するが、訳あってこの髭文字に取り組んでいたことがある。ここで字体そのものとしての髭文字について私の感想を交えて紹介したい。
髭文字について私が思うことはややこしいということである。これに尽きる。文字として紛らわしいものがかなりある。ここで幾つかピックアップしたい。
まずは筆頭。小文字のbとdである。
これは頻繁に出てきて、本当にごっちゃになる。非常に似ている。上の二つの画像だとある程度区別がつくかもしれないが、私が取り組んでいるものはdの方の左上の空間がくっついてしまっていて本当に紛らわしい。単語で推測しなければいけないことが頻繁にある。
これまた頻出。小文字のfとs。見分けをつけるのは横棒があるかどうかだが、これがまた紛らわしい。上の方の画像ではfの横棒はまだ長いが、私が取り組んでいるのはもう少し短い。なのでこれまた厄介。
大文字BとV。英語と違い、ドイツ語は名詞は大文字から始めるので、これまた頻繁に目にする。違いは右側真ん中が左側真ん中にまで線が降っているかどうかだが、私が取り組んでいるものだと下の画像のVも結構降ってしまっている。なので実に厄介。
更に大文字Pも紛らわしくBやVとごっちゃになりやすい。ポイントは線が下にはみ出ていること
大文字のCとEも実にそっくりである。ポイントは真ん中右点があるかどうか。
大文字KとR。上に曲線があるかどうかが違いで、二つを並べるとそこまで紛らわしくはない。ただKが単独でくるとうっかりRと勘違いしてしまう可能性がある。
小文字mとw。これまたそっくり。右下がくっついているかどうか。ただし実際に文章を読む場合、ここでアップしたように画像は大きくないため、判断が想像以上に難しい。
せっかくなので、私が取り組んでいた髭文字の文章を少しアップしたい。
上が髭文字の文章になる。
これをお馴染みのアルファベットにすると
Im Norden des aegäischen Meers erhebt sich die Samothracische Insul, von Anfang wie es scheint Samos genannt, darauf zum Unterschiede von der ionischen und wegen der Nähe Thraciens die thracische
(エーゲ海の北においてサモトラケの島があるのだが、初期の時代からサモスと名付けられているように思え、結果イオニアとの区別やトラキアの近くにあったことから、トラキア的なものとされた。 )
となる。
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