エピクテトスを身近に感じ始めてきた
読んだ。
とりあえずこれで最近買ったストア哲学ネタの本は一通り読んだことになる。エピクテトスの『人生談義』はまだ読み終えていないが、アレは資料的な目的で購入したので除く。ジワジワと読み進めているけれど。
本書はより実践的な要素を強めたタイプの本である。『ストア派哲学入門』や『奴隷の哲学者エピクテトス』も教えをどう活用するかについて書かれていたが、これらは引用ありきといった印象だった。まず『語録』などから教えが抜き出され、それから実践例が示される。そういう構成だ。
それに対して本書では、引用は主役ではない。エピクテトスを中心としたストア哲学の指針が示され、説明する中で資料の形で引用が行われる。そのためストア哲学考え方を学ぶのにはいいが、いわゆる「名言」を知りたい人にとっては向かない本だろう。
また、本書は今回読んだ中では一番読みにくい本だと思う。基本的に文字だらけで、一つ一つの解説が他より長い。読書慣れしている人ならば特に身構える必要はないが、普段本を読まない人には負担だろう。そういう人は同じエピクテトスを中心とした本でも『奴隷の哲学者エピクテトス』の方が向いている。
とはいえ俺としては本書の方が好みだ。早川書房から出ているだけあって、俺が普段読むような本と雰囲気が似ている。また、引用の仕方も俺のブログとスタイルが近い。俺がストア哲学の記事を書くならば、本書の構成が一番参考になるだろう。
本書の特徴として、エピクテトスが普通に登場することが挙げられる。例えばこんな感じで。
ここから先は
596字
この記事のみ
¥
100
人に対し何かをしてあげるという事は、全て「見返り」を期待しての行為だ。noteのサポートは文章を読むための「見返り」である。