ベーコンに宿る神

Radiotalkで話す時のメモ
よく考えたら中黒もアスタリスクも不要なことに気がついた

今回のトーク

メモ

あなたは神を信じますか?
スマホに『聴くドラマ聖書』が入っている骨しゃぶりです

この番組では俺が今興味のあることについて話します
今日は神の話をします
というのも最近神に関するツイートを見たから

「米1粒には神様が宿っているので、米粒を残すのは許しがたい」

似たようなことを聞いたことがある人もいるのではないか
俺も子供の頃に聞いた覚えがある
俺が知っているのは「米一粒には88人の神が宿る」というものだった
調べてみると米に宿る神の数は諸説ある
88人は多い方で、もっとも一般的なのは7人
3人というパターンもある

なんで神が宿るのかというと、米を作るには手間暇がかかっているからということらしい

それを知って俺はふと思った
「米よりもベーコンに宿る神のほうが多いのではないか」と

これは最近『ファーマゲドン』という本を読んだからだ

この本では工場式の畜産システムを批判している
工場式というのは、家畜を狭い部屋に押し込めて自由を奪い、ひたすら太らせたら出荷するという方式

その工場式畜産は様々な問題点がありますが、その一つに人と家畜で食料を奪い合うというものがある

昔ながらの畜産は違います。
家畜とは本来、人の食べないものを食料に変換するシステムだった
草や虫、残飯に人糞
そういったのものを食べて乳や卵、そして肉という人の食料を作る
それが家畜だった
おまけに家畜の糞尿は肥料として、作物を育てるのに使える

ところが工場式は違う
工場式の家畜に与えられる餌はトウモロコシや大豆
つまり人が食べられないものではなく、食料を家畜に与えている
もちろん家畜用の穀物は人が食べる品種とは異なる
ただ、人用の食料を作ることができる土地で家畜用の食料を作っているので、間接的に人の食料が家畜に奪われていることになる

その家畜は最終的に人の口に入るが、当然ながら穀物をそのまま人が摂取した場合に比べると転換効率は悪い
カロリーベースで言ったら3分の1以下で3分の2は無駄になる
タンパク質だとわずか6分の1だ
これは様々な畜産物の合計で、豚に限って言うとカロリーでもタンパク質でも10%になる

だから家畜のためには多くの穀物が必要で、全世界で生産される穀物の3分の1は家畜に与えられている
つまり1枚のベーコンを作るには多くの穀物が使われているということ

言っておくと俺は菜食主義のススメとか肉食をやめようとかの話をしたいのではない
俺がしたいのは神の話だ

米という穀物には神が宿っている
俺は穀物差別をしないので、米に神が宿るなら他の穀物にも神が宿ると考える
もちろん家畜用の穀物にも
そして穀物が元になっているベーコンにも宿る

神はその穀物にかけた手間に応じて増減するので、家畜用の穀物だと、人用の米に比べたら神の数は少ないだろう
しかしブタによる転換効率は10%しかないので、全体量は多くなる
加えて手間はブタになった後も、ブタを加工した時も多くかかる
ベーコンと米の値段を比較してみたらそのことがよく分かる
ベーコンには米以上の手間がかかっている
もう分かっただろう

家畜に神はいないと言われるが、穀物を食べて育ったブタは実質穀物
その体には多くの神が宿る
そんな聖なるブタを加工して作ったベーコンに宿る神の数はとんでもないことになっている

それなのにみんなベーコンを見る時、ブタの命は考えるけど、ブタを育てるのに使った穀物のことは考えない
なぜそうなるのか
やはり人は見えないものを認識できないのだろうか

あなたは神を信じますか

以上

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