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出産は骨折と同じくらい痛いっていうのは果たして本当なのか

巷で言われている「出産は骨折のn倍痛い」というのは完全に嘘だと思う。さすがにそう言っている人は、骨折の痛みをナメすぎてる。人間には多種多様の骨があり、人生で十数回、数カ所の骨折をしてきた俺が思うに、でかい骨の骨折は、出産の比じゃ無いくらい痛い。小さい指の骨折とかと比べると、出産の方が痛いけどね。
でも脛骨と腓骨(足のすねの骨)が2本一気に折れた後、さらに髄内釘いれる手術終わった後も、痛すぎて大人なのに声あげて泣いちゃったよ。痛み止めだけじゃ足らずに、眠剤を点滴して強制的に眠らしてもらったもん。(それでも痛みで全然眠れんかった。

骨折はかなりいたい

それでも出産の痛みは、限りなく骨折に近いと思う。まず、骨折と同様に骨が痛い。腰にある仙骨(おしりの上のほね)の部分がポーン!と、飛び出してしまいそうなほど痛い。足の付け根から腰にかけてズキズキとした痛みが始まったら、もう次の瞬間には腰が砕けるような感覚に襲われる。テニスボールで押すと良い、と言われているが、俺はあんま意味なかった。まず立ち会いじゃなく一人きりだったので、テニスボールで腰を押す!足首をまわす!みたいな、一般的に言われているいきみ逃しをする余裕とかはなかった。できることはといえば、ベッドの上で蹲りながら、痛みに耐えることのみだった。頭の中では新ヱヴァのマリさんの台詞「エヴァ二号機…我慢して…、わたしも我慢する…!」が、ぐるぐるまわってた。もしかしたら声にでちゃってかもしれねー。スタジオカラーは俺に力を与えてくれた。ありがとう、庵野秀明大先生。

そして、痛みには波がある。痛い→激痛→ヨユ〜を、繰り返す。繰り返す度に、痛みはどんどん強くなる。感じ方としては、ウンコをめちゃくちゃ我慢してるときと同じ。ここから抜け出すには…脱糞しかない!と思う。
そう、陣痛はトラックに轢かれる痛みでも、交通事故でも、骨折でもない。めちゃくちゃウンコを我慢しているときの痛みなのだ。
ここはテストにでる。大事なので。

ウンコは出たがっているけど、俺の肛門はまだウンコの大きさまで拡がりそうもない。無理にでも踏ん張ったら、肛門が裂けてまう…。
オデコには脂汗がにじみ、どんどん余裕がなくなってくる。
最終的には、痛すぎて吐き気がしてくる。下から出ないんだから、上から出すしかない。人間は所詮一つの筒である。俺は陣痛室でゴミ箱に吐いてたら助産師さんに「なんでそこに!」ってキレられた。吐く場所として、ゴミ箱は大正解なので、納得できなかった。

つまり出産は、肛門の大きさを遥かに超越するウンコと、フレキシブル肛門とのせめぎあいだ。ウンコを出せるサイズまで肛門が拡がったら、もう何も心配することはない。キバればいい。分娩台の上で、我慢し続けた脱糞を行う時に感じるのは、もう「痛み」ではなく「喜び」なのだ。みんなはでかいウンコをやっとの思いで出せたとき、達成感の涙がでたことはないだろうか。俺はある。出産も同じで、産まれた瞬間は安堵と喜びの涙がでた。

少しは陣痛の想像ができただろうか。痛みの感じ方は人それぞれである、ということを念頭に置いてほしいが、ウンコを我慢している時、人間誰しも無力になる気持ちはみんなわかると思う。だから、お母さんや妊婦さんに少しでも優しい気持ちになれたらいいね。

最後に大事なこと言うね。産院選びはちょっと贅沢しても評判がいいところにしたほうがいいよ。病院食のレベルも産院によって雲泥の差があるし、助産師さんにキツイこと言われると結構悲しいのでね…。俺の産院は小さなところだったので、産まれるまでだいぶ放っておかれて少々不安だった。それが逆に良い人もいるかも。
旦那さんも、奥さんの産院選びにはあまり文句を言わないのが吉でしょう。産後の怨みは深く長い。俺は夫に呪いをかけるほどだったので…。


以上になります。皆さん最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

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