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劇団言魂『こえの聴こえる』【本公演に向けたワーク・イン・プログレス】を、Youtubeで観た。

劇団言魂『こえの聴こえる』【本公演に向けたワーク・イン・プログレス】を、Youtubeで観た。

ワーク・イン・プログレスというのは、直訳すると、「作成中」ということで、ここでは、下記の段階を経ることを指しているようだ。

ワーク・イン・プログレス当日の流れ
1. 俳優によるリーディング公演(約90分を予定)を実施
2. 本作の作家山口大器、出演俳優と、観劇いただいたみなさまで意見交換(発言は任意です!聴くだけ可!)。
質問や感想など、共有しながら作品の可能性について探っていきます(約60分を予定)。
3. YouTubeも同時配信しますので、コメントでのオンライン参加もお待ちしております!
4.会場で共有できなかった感想や、公開された戯曲からの感想がございましたら、コメント投稿用フォームへとお願いいたします。

要は、作成途中の演劇作品について、お客さんも交えてディスカッションするというもので、これを経て、より良い本公演につなげていくというものだ。

役者さんのリーディング、本読みを見せてくれるのと同時に、台本をネットで読めるようにもしてくれている。なかなか徹底している。

サイトにあった、あらすじ。

物はどんどん減っていく。情報はどんどん増えていく。 生まれ、存在し、そしていなくなる。それが私たちから見た人間の真実で、逃れようのないルールで、そして、あくまでそれに従っていた。  こえの聴こえる——いなくなったあなたの証拠を探して、今日も夜空の月を見上げる。  これは、存在と意識についての、物語。 

山口大器さんが、この作品を書こうとした動機は、祖父の認知症だったとのことだった。物語では、認知症のおじいさんが遺したアンドロイドに、祖父の若いころの記憶そのものがあって、その機械もまた、古くなって情報処理がうまくいかなくなっていく、という話だった。

SF的ビジュアルの全くない、SF作品。言葉選びも良くって、よさげな本公演になりそうだなぁと思った。

劇場で観られた観客の方から、いくつか意見があって、その中で、

「認知症からスタートして、人が老いる、機械が壊れる、みたいな話に収束してしまうと、作品自体が小さくなっちゃう気がする。その症状の、悪い側面だけでなく、忘れたいこととか、人と記憶についての話を広く捉えたら、もっとこの作品の魅力が増すと思う。」という意見があって、その通りだなぁと思った。(Youtubeで顔の見えない方の言葉を、記憶で再現したので、このご意見、めちゃくちゃ私の脚色入っていると思う)

自分の感想は、劇団のフォームで送った。ここで書くようなことじゃないと思うから、割愛。

ワーク・イン・プログレスの後半は、作者じゃない方が司会進行したほうが良い気がした。人の意見を聞きながら、劇作家としてコメントを入れて、さらに進行するっていうのは、かなりハードだったと思います。

あぁ、でも、良かったな。コロナ禍だからこそ、作品をさらに良い形にブラッシュアップさせようという企画が、単純に良かった。リーディングがあとで見られるかどうかはわからないけど、戯曲はしばらく見られる気がするので、たくさんご意見が集まるといいですね!

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