専用焼台で自宅で焼鳥を楽しめる「ベランディング鳥幸」を試してみた!(後編)
コロナ下の発売初月の6月に1000台を売り上げ、2ヵ月目には4000セットを、10月末には7000台を突破。コロナ下で大ヒットしたのが、本格焼鳥と厳選ワインで知られる鳥幸が生み出した体験型お取り寄せセット「ベランディング鳥幸」です。
自宅のベランダでおいしい地鶏を焼いて楽しんでもらおう、というまったく新しい商品。ただ、ベランディングをうたっていますが、実はベランダでやらなければいけないわけではありません。室内でも十分に楽しめるのです。
そこで、鳥幸の協力をいただき、恵比寿の「観音坂 鳥幸」の店内の一室で「ベランディング鳥幸」を試してみることにしました。
「伊達鶏とはかた地鶏」「比内地鶏」「川又シャモ」など地鶏が楽しめる「ベランディング鳥幸」。
流通量が極めて少なく、専門料理店で扱う稀少な地鶏・銘柄鶏を厳選し、毎月異なる鶏肉が自宅に届く定期購入の6カ月コース「鳥幸のサブスクリプション」もスタート。
「鳥幸のサブスクリプション」
https://verandingtoriko.wixsite.com/website/subsc1028
今回は、それぞれの生産者の声も一緒にお届けします。Honda.labの4人のメンバーによるレポート、後編です。
けむりは、ほとんど出ない
オイルを塗ったあと、次は入っている焼塩を片手でパラパラとまんべんなく両面に振っていく。オーストラリアの海水塩を使用しているというが、焼塩であることがポイントだ。
「お店で使っている塩なんですが、焼くと塩が軽くなるんです。水分を含んでいると、うまく振れないんですね」
とは、鳥幸の小林弘尚さん。こんな細かなところまで、考えてくれているのだ。
そしていよいよ、焼台に串を乗せる。串の竹の部分が見えているほうを下にして焼く。これでどちらが最初に焼いた面かがわかる。マニュアルに書かれているが、「砂肝」は2分ほど、「せせり」は4分ほど、「ぼんじり」は6分ほど、と微妙に異なる。
焼いているうちに、油が垂れてトレイの水の中に落ち始める。同時に、香ばしい香りが広がっていく。ここで驚いたのは、けむりがほとんど出ないことだ。水に落としていることが、やはり大きいという。食欲をそそる、いい匂いが広がる。
鳥幸は厳選ワインもセレクトしてくれる店。小林さんに聞いてみると、この3本に合うのは、白ワインだという。
「塩には、ソーヴィニオンがいいですね。今日はボルドーの白をお持ちしました」
一口いただきながら、焼き上がりを待つ。それぞれの時間目安でひっくり返す。
メンバーの中には、串がクルクル回ってしまったのだが、置き方を変えたり、どうしても回ってしまう場合は、爪楊枝を差し込んで固定するといいのだとか。
メンバーからは
「この焼鳥ができてくる感じが面白い」
「けむりが出ないのにびっくり。これならリビングの換気扇でできそう」
という声が。
焼き方のポイントや焼き上がりの目安もパンフレットに書かれているが、串の肉の間のスキマの肉汁が白く濁るのをチェックといい、とも小林さん。
まずは、所要時間約8分の「砂肝」が焼き上がり。もういいですよ、の小林さんの声に、メンバーはみんなうれしそう。
おすすめ薬味は、桜の香りが強い特製燻製塩。その部位にぴったり合った薬味まで同封されているのは、なんとも特別。
「うわぁ、お店で食べる味ですね〜」
とメンバー。
続いて、所要時間約10分の「せせり」。表面にカリっと焼き色がついて、なんともいい感じ。こちらの薬味はトリュフ塩。中は、やわらかくて超美味で、これが白ワインに合う。そしてやはり焼きたてで食べられるのが最高だ。小林さんはこう言う。
「おいしい焼鳥も、冷めてしまうと硬くなってしまうんです。だから、あつあつを食べるのが一番おいしいんです」
どこかで買ってきたものを家で食べるのとは、ここが違う。
そうしているうちに、所要時間12分の「ぼんじり」の表面がカリカリきつね色になって焼き上がり。こちらの薬味は黒胡椒で。超粗挽きに意味があると小林さん。
「カリッとかんだときに、胡椒の香りが広がるんですね。長めに焼いてもジューシーなのが、ぼんじり。胡椒と合うんです」
これはワインが進む(笑)。
(コラム 生産者の声)
はちきん地鶏
合同会社土佐あぐりーど
日浦千尋 様
飲食店への卸が6割以上を占めていますので、大きな影響がありました。生産者は生産調整をしなければならなくなった状況です。以前は、ネット通販の売り上げは1割程度でしたので、ベランディング鳥幸はありがたかったです。
はちきん地鶏のネームバリューはまだまだですが、扱ってもらったことでブランディングにもなりました。ジャパネットたかたでも取り上げてもらったんですが、コロナ応援プロジェクトは本当に助かっています。生産者も、とても喜んでいます。
何度も焼鳥を浸したタレで、締めの卵掛けご飯!
残る2本は、伊達鶏。トレイの水が減っていたら継ぎ足して、まずは「手羽」。しっかりチャコールオイルをハケで両面に塗り、焼塩も振る。伊達鶏は、食感が強くて弾力感がある、と小林さん。
「これがうまく焼けたら、最高にうまそう」
とメンバー。
手羽は皮の面から。じっくり焼くと、またこんがりといい香りが。この後、「もも」はタレになるので、「このあたりで赤ワインもいいですよ」と小林さん。
焼鳥を焼くといっても、せわしさはまるでない。それなりに時間がかかるので、話をしながら、飲みながら。次の準備をゆっくり進めるなど、マイペースで楽しめる。仲間とオンラインでベランディング鳥幸、なんてのも楽しいかもしれない。
手羽を7分ほど焼き、ひっくり返してまた7分。骨から出た血が黒くなったら焼き上がり。こちらの薬味は、名店・京都祇園原了郭の黒七味。
「うまい!まさに食のエンタメですね、これは!」
「表面はこんがり、中はやわらか。焼きながら食べるって、本当においしい」
とメンバー。
食べ応えのある1本のあとは、最後の伊達鶏「もも」。こちらはオイルはなし。焼き目がつくまで4分ずつで裏表。この間に準備するのが、タレ瓶だ。お店で使われているという甘みの強い特製ダレを瓶に移す。小林さんはいう。
「このももには、甘ダレが合いますね。照りをつけていく感じて焼いていきます」
ただし、タレをつけるのは焼き色がついてから。台から上げた焼鳥をタレの入った瓶の中に浸し、再び焼台に載せる。香ばしいタレの香りが広がる。メンバーからは、
「タレをつけてもう一回焼くって、まさに焼鳥を焼いている、って感じ!」
「この色がもう最高!」
という声が。
タレをつけたら20秒ほど両面を焼き、またタレをつけ、また焼いて、またタレをつけると繰り返し、焼き色がしっかりついたら完成。これがまた、なんともおいしそうな色に仕上がるのだ。
薬味は、ゆず皮をたっぷり使った柚子胡椒。これがまたうまい。
「思った以上に感動がありますね」
「単においしいだけじゃない。なんだか達成感がある」
と大満足のメンバー。5本だったが、それぞれ大ぶりの焼鳥。そこそこお腹はいっぱいに。この日は特別に、比内地鶏、川又しゃも、はちきん地鶏の「もも」をこの後1本ずついただいたが、最初の5本でも他に少しおつまみでもあれば、十分かも。
そして、ここでとっておきのアイデアを小林さんが伝授してくれた。
「何度も焼鳥を浸したタレには、旨みが染み込んでいるんですね。だから、これで卵掛けご飯にするとおいしいですよ」
これにはメンバーも大喜び。
「焼鳥を食べながら、TKGのタレを育てていくといいうことですね!」
かくして、食べたばかりなのに、すぐにオンラインで注文を入れていたメンバーも。
「これは家族や友達みんなで家でワイワイやったら、絶対に楽しいと思います」
鶏肉と卵、丼用の鍋がセットになった親子丼もスタート。
「八ヶ岳鳥幸地鶏の絶品親子丼ミールキット」
簡単に揚げられるフライヤー付きのからあげカレーキットも。
「鳥幸の熱々からあげカレー フライヤー付き」
(コラム 生産者の声)
比内地鶏
株式会社 本家比内地鶏 取締役専務
阿部 健二 様
鶏は日々、育っていきますから、成長が止められないんです。処理をして冷凍在庫がどんどん増えている状況でした。生産者は、ひなの数を減らしてなんとかしのいできた状況です。ベランディング鳥幸が始まった時期は、モノが動いていませんでしたから、とてもありがたかった。
比内地鶏の専門店ですが、なかなか普通は食べることがない鶏だと思います。ベランディング鳥幸のセットには、内臓などの稀少部位も入っていますので、地鶏のおいしさを味わってもらえたらと思います。地鶏に興味を持ってもらえたらうれしいです。
秋冬の巣ごもりにも、クリスマスホームパーティにも、ダイニングで「ベランディング鳥幸」。鍋付き卵付き親子丼や、簡単に揚げられるフライヤー付きからあげカレーなど、家で簡単にお店の味を楽しく味わえる体験型お取り寄せは、さらに充実。
「ベランディング鳥幸」、要チェックである。
text by 上阪徹