遅れてきた『女神の継承』レビュー
4/7(日)、キネカ大森の<アジアを旅する映画祭>にてリバイバル。※フィルマークスでポストしたレビューに追記
すこし早めに到着。先にチケットを購入、一旦映画館を離れ、上映時間まで時間を潰す。大森や吉祥寺のような、都心から離れると飲食店の混雑から逃れられるから良い。と言っても混雑しているには変わりないのだが、それでも、混みすぎて入れる店がない!なんてことはないから良い。
食事というより、お茶がしたくて店を探していると、なんと、シェ•リュイのイートインを発見。空席を探してすかさず入る。地元のおばあちゃんらしき人メインに8割方の席が埋まっていた。
生クリームよりマロンクリームが良いと思ってきたのも加齢かもしれない。
舞台はタイの小さな村。山を背負い、うっそうと茂る草木がもうジットリとした湿度を観るものに感じさせる。非日常感に興奮。険しい山奥に祀られた女神像に盛大な供え物。女神にも、悩む人々にも奉仕し、素朴に暮らしながらも、威厳を漂わせる祈祷師二ム。この二ムがもうカッコいい。『来る』の柴田理恵さんとは、また違うカッコよさがある。『来る』は琉球ユタのおばあちゃんたちもカッコいいよね。
モキュメンタリー、主観撮影、廃墟、田舎、ガブガブ、呪術、悪魔憑き、悪魔祓い、遠赤外線カメラ、驚愕シーンなどなど、ホラー映画あるある要素をてんこ盛りにしつつ、クライマックスからラストにいたるまで、観客を一切甘やかさない。モキュメンタリ―にしてはカメラが多くね?というレビューも目にしたけど、その辺は映画なんだからいいじゃん、という感じだ。しかし、『うわっ、そろそろコワいシーンかも』と何度となく顔を伏せやり過ごした映画は久しぶり……と思っていたら、こんな記事を発見。
そしてこの『女神の継承』、エンドクレジットも席を立たずにしっかり観てね。客席の照明が明るくなるまで。『ヴァチカンのエクソシスト』のとある台詞を思い出した。正確な台詞ではなく、趣旨だが。
悪魔憑きの目的は、信仰を揺るがすこと。
最後の最後まで観ると、なるほどと思うはず。
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