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ときめき!

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好きなことってなんだろう。私をわくわくさせること。私にパワーをくれるもの。好きなことが誰かと共有できたとき、私たちが同じ輪の中にいることを感じる。好きなことが同じじゃなかったとき… もっと読む
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記事一覧

ひとごと

木原 愛
趣味や人柄を聞かれることがある。人に堂々と語れるほどの何かというものが私にあると思ったことはないし、何かに没頭するほどの情熱を持ち合わせていないように思う。
私は日々の時間を何に費やしているだろうか。読書、音楽、人並みに好きなものはあるのだが、それらを趣味と思ったことはなく、他人に語るほどのものではない。しかし、よく考えてみると、他人に語るために趣味があるとも思えない。自分だけしか楽しみ

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「文学における美少年、美少女の愉しみ方」

文学作品内で生きる美少年(個人的解釈として美青年も含む)や美少女たちに肉体を与えるのは作者ではなく、読者ではないだろうか。例えば作家が「黒髪の美少女」を作中に登場させたとする。しかし読者である我々は、彼女が黒髪である以外どんな目の形をしているのか、身長はどれくらいなのかというディテールが分からない。もし身体の細部が全て事細かく表現されていたとしても、読者にはそれぞれの脳内で異なる美少年、美少女を生

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愛すべきレコードの不器用さ

伊藤 茉莉香
音楽はダウンロードではなくCDを買う派だ。
ありきたりだが、やっぱり好きなものは形として手元に置いておきたい。それと同じ理由でレコードにも興味が湧いた。
で、少し前にレコードプレーヤーを買った。3000円で。偶然、ネット通販で入門者向けのスピーカー内蔵型レコードプレーヤーの型落ち品が安くなっているのを見つけたのだ。
早速、箱を開ける。使い方がさっぱり分からない。少し前に「レコードが収

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鋼の錬金術師

竹内真依

はじめに
皆さんは『鋼の錬金術師』(通称はがれん)を読んだことがあるだろうか? とにかく面白い漫画で、読み始めたら最後、続きが気になって何も手につかなくなった。

あらすじ
舞台は19世紀の産業革命期のヨーロッパ。錬金術が社会に広く浸透している時代だ。そもそも錬金術とは、科学的技術を用いて非金属から貴金属を錬成することを指す。作品で描かれる錬金術は金属だけでなく、様々な物質をより完

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あとがき

「ときめき」は私だけの愛おしい脳髄反射のようなものであり、主観の従順な僕のようなものである。しかしSNSやメディアにどっぷりと浸かりきってしまった私たちは、動物が環境に適した姿へ進化やあるいは退化していくように、他人から批判されないように怯える客観的な目を貼り付けるようになり、主観や直感を去勢することになった。しかし「ときめき」は予測不能の天災のようなものであって、回避を考える隙を与えないものであ

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