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無茶苦茶や

最近は暴飲暴食でやめていたタバコもバカスカ吸い始め毎日ビールと共に朝方に眠る。もともと酒は強くないから、それはきっとこの体にとって良かったことで、2、3本で満足する。消化できないアルコールがすぐに顔を赤くするから、酔っていると一目で分かってもらえる。若い頃はバカで無茶したがるから、今でもバカだが無茶はしなくなってつまらなくなった、吐いても飲み続けることで許容量を増やしてきた。地元をプラプラしていた頃はコンビニで最安のブラックニッカを買い内ポケットに忍ばせていた。金もなかった。飲んだ帰りにタクシー代もなくて年末の凍てつく帰り道をニッカを流して内臓を熱くして帰った。形は思い出せないが月が綺麗だったのは覚えている。酒に強かったらアル中まっしぐらだったろうとその時も思った。無茶をしても体は正直だ。いや体を超えて無茶ができる人、その精神がその先に運ぶのかもしれない。要するに、酒に溺れている自分をどこまでいってもすこし離れて見ている自分を捨てきれなかったのだ。青いナルシズムである。恥ずかしいがそれが若いということなのかもしれない。ともかく酒に溺れきれなかった私はその先というか脇道に逸れていく。脱法ハーブをやっている友達もいたし合法ハーブというんだっけかよく分からないが、よく分からないものを摂取したくはなかった。元来臆病な性格だ。そんなものをするなら大麻でいいだろう。こちらも下戸で量はそこまでいらなかった。まあ酒と同じで体が慣れてくればいくらでも量はいけるようにはなる。何にしろ量自慢はアホらしくて嫌いだった。中学の頃から躁鬱というのか気分はジェットコースターと書くと九十年代のアイドルソングみたいだ、とにかく激しい浮き沈みがあったがその頃は毎日がドブの中のように沈み込んでいてこれは治療が必要だと思っていた。病院に行く気はなかった。どんな病院も嫌いだったし、初対面の人をいきなり信用などできないし、自分のことは何より自分が知っているだろうと思っていた。今は分からない。そもそも自分はあってないものだ。鬱の治療にマジックマッシュルームが効くと徘徊していたネットで知った私はそのキノコが自生しているというオーストラリアに向かうことにした。

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