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直秀の処遇に勘違い

NHK大河ドラマ『光の君へ』
脚本は大石静で、史実とは異なるオリジナルストーリー

今回のサブタイトル「遠くの国」
毎熊克哉演じる直秀が処刑され「地獄へ」

ねずみ小僧のような盗賊であり散楽一座の演者たちが
藤原兼家の屋敷に盗みに入った際、ついに捕縛され検非違使に引き渡される。
道長は賄賂を使って放免を依頼したが、風葬の地である鳥辺野に連行されて全員処刑されてしまった。
実際には、皇族やお金持ちが埋葬される鳥辺野で、盗賊が処刑されることはなかったという。

藤原道長の謝罪
検非違使に「手荒なことはしないでくれ」と賄賂を渡したが
検非違使は「苦しませずに始末してやれ」という意味に受け取ったか

京の警察+裁判所である検非違使の審判
当時の政治や社会の矛盾をおもしろおかしく批判していた散楽一座が
盗賊でも有ったことから重罪と判断されたのでしょう。

平安時代の刑罰は「五刑」と呼ばれ、笞(ち:鞭で打つ)、杖(じよう:棒でたたく)、徒(ず:懲役刑)、流(る:島流し)、死(死刑)の5種類でした。

杖刑相当の盗賊でも、貴族の屋敷へ入ったので罪が重くなる
徒に刑があがるのだが、捉えた貴族から賄賂を渡され勘違い、流になったと考える。しかし、役人が島流しにするのも面倒と思い、通りかかった死体捨て場(風葬の地)で殺害してしまったのではないだろうか。

貴族の屋敷に対する盗賊、貴族に危害を加えると罪が重くなる。
検非違使は警察と検察と裁判所を兼ねる。貴族犯罪は対象外

盗賊を貴族が助ける道理はなく、検非違使に賄賂を渡す意味としては
より罪を重くしてくれという解釈になる。
道長は検非違使に賄賂を袋でたっぷり渡したので死刑になったのではないでしょうか。

ちなみに、貴族の刑罰は死刑相当でも流罪まで。(太政官で審議される)

賄賂は要らなかった?

藤原道直は上級貴族
検非違使は下級貴族
上下関係で言えば、道長が命令することも出来た。
上から下に金品を渡すのは味方(家臣)を増やす意味合いのみ。

オチを先に書いてしまうと
三男でありながら道長は後に平安時代の最高権力者に上り詰める。

直秀達の一座が死刑
道長は直秀の遺体に貴族の扇子を握らせた
道長はまひろに「皆を殺したのは 俺なんだ。余計なことをした!すまない」と言って涙した

扇子を握らせたのは、直秀が元は貴族の出身だったことを見抜いていたためでしょう。

道長が検非違使に盗賊を引き渡さない選択肢をまひろに尋ねられる
盗賊を取り押さえた右大臣屋敷の護衛である武者たちを納得させる方法は、その場で仕置するか(あるいは切り捨てるか)検非違使に引き渡すかの2つしかない。

余談
今生天皇の娘である愛子内親王
3月20日に学習院大学文学部日本語日本文学科を卒業される愛子さま。
日本文学科では平安文学『源氏物語』にご興味を持たれていました。
昨年12月には卒業論文を提出されており、タイトルこそ明らかにされていないが、テーマは中世の和歌に関するものだったという。


空也上人(903~972年)
空也上人が十一面観音立像を本尊として京都東山の地に創建した六波羅蜜寺(創建時は西光寺と称した)には、現存最古となる上人の像が伝えられています。
口称念仏の信仰を説いた僧侶。浄土教に繋がる

道長とまひろが極楽浄土に憧れるようになるストーリーが描かれるか、それは無いのか今後の楽しみですね。

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