みずほのリーダーシップ

みずほがまたシステム障害を起こしてしまったそうですね。
みずほは、システムに巨額の投資をしたそうですが、合併した3行の意向を尊重しながら、システム開発を進め、複雑怪奇なシステムになってしまっているらしいです。
みずほは、第一勧銀、富士銀行、日本興業銀行が合併してできました。
ただ、各店舗がもともとどこの銀行の所属だったか、誰がどこの銀行出身か、統合後にも配属支店でどこの銀行派閥か決まるといった話が聞かれるほど、派閥争いが根強く残っている印象です。
でも、これだけシステム障害が頻発していたら、会社の評判に致命的な影響がでてしまうので、社長が派閥に限らず、リーダーシップを発揮し、改革すれば良いのでは?と皆さん疑問に思うのではないのでしょうか。
でも、そもそも、社長は、そんな権限を持っているのでしょうか?
実は、みずほの社長は、皆さんが想定しているほど権力はないのかもしれません。
権力の代表と言えば、人事権です。
会社の最高権力を持つ取締役の人事権は誰が握っているのか?
解任や、選任の決定権は、株主総会の決議で決まります。
みずほは、株式の大半を保有するようなオーナーがいない会社なので、基本的には、株主総会で提案された事が決定されると考えられます。
では、株主総会で取締役の解任や選任の中身を決めるのはだれか?
みずほは、指名委員会設置会社なので、指名委員会が解任や選任の提案内容を決定します。
指名委員会に社長は入っておらず、全員社外取締役で構成されています。
つまり直接的に社長に取締役の人事権はなさそうです。
では、指名委員会を選任できる人は間接的に人事権を持てるのではないでしょうか。
指名委員の選任は、取締役会の決議(基本的には、取締役の過半数が出席し、出席者の過半数の投票で決議)で決まります。
現在、取締役は12名選任されており、社外が6名、社内が6名となります。
また、木原社長は、日本興業銀行出身ですが、日本興業銀行出身の取締役は3名とみられ、派閥が団結しても、過半数には届きません。
つまり、社長の出身行派閥だけでは、間接的にも人事権を握ることができておりません。
そのため、会社で一番偉いと思われる社長といえども、派閥を抑えて、強権を発動するというのは、権限的には、かなりハードルが高い話になりそうです。

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