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【ホンのシネマ】『ラストマイル』で思いがけず考えさせられた働き方とECショップのあり方

現在公開中の映画『ラストマイル』。
この作品を観るためにドラマ『MIU404』と『アンナチュラル』をここ1ヶ月ほどかけて見直してきたのですが、観てから行ってよかった!
そして、通販業界の片隅にいる私には、色々考えさせられる内容でした。

最初にこの作品を知ったのは、映画『関心領域』の予告だったはず。
いきなり爆破シーンから始まり、ショッピングサイトの巨大倉庫が舞台らしい。
しかも、あんなにハマったドラマ『アンナチュラル』と同じ世界線らしい・・・。

そりゃ気になっちゃいますよね。
公開日を確認して、まずは、ドラマを見直すことにして準備を進めたのでした。


▶︎ストーリーが抜群に面白い!

ブラックフライデー前夜、届いた荷物は爆弾だった――
日本中を震撼させる4日間。


11 月、流通業界最大のイベントのひとつ“ブラックフライデー”の前夜、
世界規模のショッピングサイトから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。
やがてそれは日本中を恐怖に陥れる謎の連続爆破事件へと発展していく――。
巨大物流倉庫のセンター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、
チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)と共に、未曾有の事態の収拾にあたる。

誰が、何のために爆弾を仕掛けたのか?
残りの爆弾は幾つで、今どこにあるのか?

決して止めることのできない現代社会の生命線 ―
世界に張り巡らされたこの血管を止めずに、いかにして、連続爆破を止めることができるのか?

すべての謎が解き明かされるとき、
この世界の隠された姿が浮かび上がる。

映画『ラストマイル』公式WEBサイトより

最初、主人公である新しいセンター長・舟渡エレナ(満島ひかり)が出勤するところから物語はスタートします。
どうやらア●ゾン的な巨大倉庫のセンター長に新たに赴任してきたらしいぞ。
持っているカバンは、エルメスのバーキンみたいだし、かなりエリートっぽい。
外資系の会社で出世しているので英語もペラペラっぽいし、若いけどかなりのキャリアも積んでいる様子。

チームマネージャーである梨本孔(岡田将生)は、そこまでやる気もなさそうだけど、ブラックフライデーに向けてたくさんの派遣社員も雇って、かなりシステマチックに効率良く出荷作業を進めている。
そこに、この倉庫から出荷された商品が爆破するという事件が発生!
この二人を軸に、場面はテンポよく切り替わり、配送を任されている羊急便、さらにエンドユーザーに届ける契約宅配業者親子、荷物が届くのを待つ親子、捜査する側、遺体が運ばれて検死するUDIラボ・・・など、色々出てくるので飽きさせない。

途中で、「この人が怪しいのか・・・?」と思わせるポイントがあったり、お馴染みのドラマ側のメンバーが出てくるので見逃せない場面が多く、観終わった後もう一度見たくなる作品でした。


▶︎誰しも感じていたが見逃していた違和感をエンタメに

この作品は、それぞれの働き方を問う作品です。
それぞれの立場になって考えたときに、各々の正義があり、「それを遂行するためには仕方がない・・・」を思いがちだけど、結局皺寄せはその下請けに来ている。
だから多くの人は給料が上がらないから、安くていいものを求める。
なので安くするためにコストを下げる・・・こういうどうしようもないサークルをどう断ち切るのか、断ち切れるのかということを考えてしまう。

タイトルにもなっている『ラストマイル』とは、荷物が顧客に届く前の最終段階のこと。
まさに、火野正平と宇野祥平演じる佐野親子が運んでいる区間のことです。
セリフの中に「1個150円、届けてないのであれば請求はできない」というのがあったと思うんんですけど、これだけで過酷さがわかるってもの。

ただ、ショップ側の立場で考えると、ショッピングモールでの“送料無料ライン”の登場に、原価の中に送料を考慮するとそこまでの送料を払うわけにはいけないということもある。

さらに今年は物流の2024年問題の件もあるし、分かってはいたつもりだけど、映画をきっかけに考えることができるのはやはりいいなあ。

Kindle Unlimitedでこんな本を見つけたので、ちょっと読んでみようと思います。

●『2024年問題を乗り越える運送会社になるために、知っておくべきドライバーの賃金制度の基礎知識』

ちなみにEC業界についてはこんな感じの本に目を通してました。(現在手放してしまったため、タイトル思いだけないけど)

●『売れるEC「最強」集客大全』

ちょっとこれも気になるので、また読んでみます。

●『日本のEC市場の今と未来がわかる』

ECショップで売り上げを上げるために色々考えてやってきていたんだけど、送料はやっぱり色んな意味でネックになります。
安くて大きな商品の場合は、送料ばかりかかってしまって、売上に影響が出るし、送料は1円でも安いところにお願いしたいのが本音。

でも、「送料がこの金額で、果たして運送会社はやっていけるんだろうか?」という疑問は置き去りだったんだなあと。
そういったことを改めて考えさせられる作品でした。
しかも、ちゃんとエンタメで楽しめる感じで問題提起している感じが素晴らしい。
今後もこういった作品に出会えると嬉しいです。

▶︎原作本はないけれど、ムック本やらドラマのシナリオブックはこちら

ラストマイルはどうやらオフィシャルムック本が出ているよう。気になる〜

●『ラストマイル』OFFICIAL FAN BOOK

劇場のパンフレットは、ドラマファンも必見の内容だったので、こちらもお勧めです。

ドラマはシナリオブックがあるようです。

●『アンナチュラル』シナリオブック

●『MIU404』シナリオブック


関係ないけど、お取り寄せといえばこのマンガ!

●『お取り寄せ王子飯田好実』

かなり前に読んだけど、とにかく美味しそうだったんだよな〜。
こんな爆弾が仕掛けられるようなことになったら、飯田くんが困ってしまう。


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