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反日種族主義を読んで

昨年は韓国の話題に事欠かなかった年でしたが、コロナ騒ぎでいったん棚上げ、そろそろまたひと悶着あるような雰囲気もでてきました。まあ、どこの国でもお隣の国とは何かしらの問題を抱えているものです。問題はありつつご近所さんなので、それなりに仲良くしたいというのが自然だと思います。でもなかなか仲良くできませんね。嫌韓感情、反日感情が一夜にして消えるとは思いません。お隣さんの反日感情についてある程度は知っておかないとどもならん。

反日種族主義という本が昨年末ごろに話題になりました。李栄薫という人が編著とクレジットされていて、6名体制で書かれた本のようです。韓国の人が、韓国に強い反日感情がある理由等を説明している本です。特に日本の人向けだけに書かれた本ではなく、韓国の人々に反日感情の由来を説明する意図で書かれた本でもあるようです。要は自分と相手のことをよく知ってちょっとは仲良くなれると良いですよね。という本です。

プロローグのタイトルが「嘘の国」。嘘がはびこっていて他人が信頼できず、つらい社会だとのこと。学者が嘘の歴史を説き、政治家が嘘を利用し、国民が嘘に流される。文化人が反日を助長する虚偽を拡散しても検証も反証もされないまま、まかり通ってしまう。大日本帝国が邪悪の権化で、自分たちはその被害者だという史観から一歩も出られない。その史観の中にいると心地よいのでしょうか。

とにかく反日が国是となっている。日本に批判的であることが正しい。一方で、日本について批判している内容を広い視野でみると、実は北朝鮮にも中国にもアメリカにも韓国自身にも当てはまったりするわけです。それなのに文句を言うのは日本にだけ。

今のような嘘や歪みを放っておいたら国際社会に通用しないし、国が滅びますよと著者は言っています。こういう主張の本が韓国で出版され、ある程度は売れているというのは良いことかもしれません。日本でも多くの人に読まれているようですね。著者の良い意図が現実に反映されると良いです。

読んでみてこの本の内容を100%信用するというわけではありませんが、あまりにも一方的な反日感情を向けられる仕組みの一端が実証的に説明されて、ある意味安心する感じはありました。とはいえ、60年も嘘の歴史を教えられてきている韓国の人と、歴史の話をするのは不可能に近いなと遠い目になります。それにしても歴史学者が嘘をつく意味が分からん。それってもう歴史じゃないじゃん。政治じゃん。

著者は李承晩学堂の校長なので、李承晩を持ち上げる感じなのは立場的には理解できます。日本人の一人としての視点からすると李承晩ってとんでもない人のようにも感じるけれど、視点が変われば偉人のようにも感じるんですね。日本でだって、例えば明治の元勲が見方によってはテロリストってことにもなりますもんね。

総括すると韓国と仲良くしたいひとにも、韓国を嫌いになりたい人にも使える良書だと思います。まあ、読んでみてください。

好きか嫌いかより、まず事実を把握する努力をするのが建設的ですね。お隣さんの事情だけでなく、自分の家の事情もね。

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