【歌手以外】ブラジル女性ミュージシャンおすすめ6選!

こんにちは。打楽器奏者の木川保奈美です。

今日は私の好きなブラジルの女性ミュージシャン/女性バンドを紹介したいと思います!
ブラジルは歌手以外の女性ミュージシャンが実は少ないんですよね。
日本ではあまり知名度がない、知る人ぞ知る素晴らしい女性ミュージシャンをピックアップしてみましたので、ぜひチェックしてお気に入りの奏者を見つけてください!

■Carol Panesi

ヴァイオリン奏者であり、フリューゲルホルンやヴォーカルもこなすマルチプレイヤー。
ブラジル現代音楽界の大御所で日本への来日機会も多いHermeto PascoalやItibere Zwargの弟子でもあります。
特に近年のエルメート作品は楽曲のセクションごとの世界観が別々にあり、それをパワーで1曲にガッチャンコさせたような面白さが特徴。
彼女も師匠たちの影響を色濃く受け、パズルを組み合わせたような作風なのですが、旋律が非常にキャッチーなのでよりカラフルで華やかなイメージに。
エルメートは難しすぎた…という方も良い意味で彼女の作品はスッと聞けると思います。


■Bianca Gismonti

エグベルト・ジスモンチの娘で父親の作品も多数取り上げていますが、特に着目してほしいのが、ブラジルのトラディショナルなグルーヴと歌心ある柔らかい旋律を兼ね備えた自身のオリジナル作品。
二世ミュージシャンの域を完全に超えた才能です。
自身のピアノトリオとしての活動が中心ですが、本記事ではRio Montreux Jazz Festivalでの女性トリオ動画を紹介します。
共演の、アゴゴベルもこなすピアニストClaudia Castelo Branco、コンガ、パンデイロ、カホンと次々に持ち替えて演奏するパーカッションのLan Lanhにも注目。


■Trio Sinhá Flor

ブラジル北東部のダンス音楽Forró(フォホー)の女性三人組バンド。
アコーディオン、トライアングル、ザブンバ(両面太鼓)というフォホーの基本編成かつ、全員ヴォーカルも担当する超実力派。
取り上げる楽曲もどれもポピュラーで、ブラジル音楽好きなら聞いたことのあるレパートリー豊富なので楽しめると思います!
息ピッタリな三人のハモリは鳥肌ものです!


■Luísa Mitre

山間部ミナスジェライス州のピアニスト。
最近のミナス界隈特有の強めフュージョンに寄り過ぎず、ジャズの風合いを持った楽曲が親しみやすいです。
こちらの編成はドラムPaulo Fróis以外女性という珍しい男女比。
Luísaの妹でヴィブラフォン(パーカッショニストでもあります)のNatália Mitre、ベースのCamila Rocha、フルートのMarcela Nunesもミナスの若手奏者の数々のプロジェクトや自身のリーダー等でも精力的に活動。
彼女たちも色々な組み合わせでよく見かけると思います!


■Léa Freire

サンパウロを拠点に活動するフルート奏者。
国外のアーティストからも一目置かれる著名な奏者で、自身のリーダー作品も数々残しています。
特にAmilton Godoyとのデュオでの活動が素晴らしく、Amiltonの曲、Léa Freireの曲をそれぞれ録音したアルバムも出しているほど。
過去にブラジルデュオ10選の記事でも紹介しているので是非チェックしてみてください。


■Debora Gurgel

勘のいい方は、どうせ木川はDebora Gurgelのことを書くんだろ?と思っていたでしょう…
もう今更説明するまでもなく、私がこの世で一番好きなバンドDani and Debora Gurgel Quartetoのピアニストです。
派手なパフォーマンスやテクニックを魅せるタイプでなく、まるで打楽器のような抜群のグルーヴ感で聞かせるタイプの奏者。
故チック・コリアも認める実力で、コロナ前は各国のブルーノートで公演するなどワールドワイドな活躍をしています。
体の中にクリックでも仕込んでいるのかと思うほど乱れぬリズムはサンパウロトップレベルで、世代問わず様々なプロジェクトにひっぱりだこ。
こちらの動画はリーダーアルバムのピアノトリオ。
管楽器を含めたバンド作品などもあるので興味ある方はぜひ。

いかがでしたか?今回は私の好きなブラジルの女性ミュージシャン/女性バンドを紹介しました!

この記事を書くときに、昨今のダイバーシティ的な観点から女性ミュージシャンという括りで紹介したら抵抗のある方もいらっしゃるかな?とも思いました。
ただ冒頭にも書いた通り、ブラジルは歌手以外の女性ミュージシャンが少ないので、なかなか皆さんに知られる機会がなく、来日機会もあまりないのも事実です。
素晴らしいミュージシャンを知ってもらうきっかけとして、このnoteを多くの方に読んでいただきたく書かせてもらいました!

女性ミュージシャンは自らの意思とは関係なく、音楽性より女性性・見た目やパフォーマンスを重視されるようなアイドル的なピックアップをされることが時々あります。
例えば「美人〇〇奏者!」や「女性なのに男性顔負けの演奏!」みたいな表現ですね。

ブラジルでは、日本に比べてそれがあまりないように見えます。
アイドルポップスター的な美人でセクシーなアーティストはもちろんいますし、知らないだけで業界内にそういうこともあるのかもしれないですが、少なくとも日本よりリスナー側の意識の区分けは上手くされているなあという印象です。

見た目やパフォーマンスを売りにすること批判しているわけではありませんし、むしろ、同じ女性ミュージシャンとして尊敬している方もたくさんいます。
方向性は違えど、表現者・アーティストという大きな括りやマーケティングの観点から見て、経済を動かしたり、意義ある活動をされているのは素晴らしいことだからです。

ただ活動の方向性を誤って捉えられ、本来の実力を出し切れなかったり活動自体を続けにくくなってしまう女性ミュージシャンがたくさんいるのも事実。
応援しているミュージシャンの活動をかえって奪うことにならないように、少しでも意識してくれるリスナーの方が増えたらいいなと思います。

ちなみに私は単純なので正直、美人打楽器奏者と言われたら嬉しいです(笑)




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