マガジンのカバー画像

ほんのくいちらかし

21
ほんのむしの読書記録 ときどき古本市
運営しているクリエイター

#本が好き

読書感想『せかいでさいしょにズボンをはいた女の子』

“MARY WEARS WHAT SHE WANTS” by Keith Negley 『せかいでさいしょにズボンをはいた女の子』 作 キース・ネグレー 訳 石井睦美 女の子はきゅうくつで、ごわごわしたドレスを着るのが当たり前、と言われていた時代に、メアリーは動きやすいズボンをはいた。そして大騒ぎになった。 「私は男の子の服をきているんじゃない、私は私の服を着ているのよ」 国際女性デーなので、アメリカで史上初の女性軍医となり、その活躍から女性で唯一名誉勲章を受けたメアリー

『ナチの亡霊』読書感想

“Black Order” The Sigma Force Series 2 by James Rollins 『ナチの亡霊』シグマフォース2 ジェームズ・ロリンズ 著 桑田健 訳 シグマフォース・シリーズ2作目。アメリカ国防総省の秘密組織、科学者てしての頭脳を持つ軍人たちからなるシグマフォース2代目司令であるペインター・クロウがヒマラヤで見たナチの遺産「釣鐘」とは? コペンハーゲンで行われたオークションでダーウィンの聖書を入手しようとしたピアース隊長は狙われ…

読書感想『エレノア・オリファントは今日も元気です』

“Eleanor Oliphant Is Completely Fine” by Gail Honeyman 『エレノア・オリファントは今日も元気です』 ゲイル・ハニーマン 著 西山志緒 訳 エレノア・オリファント 、30歳、独身。デザイン会社の経理。毎日同じ服を着て、同じ時間帯に働き、同じ夕飯を食べ、週末は本を読んでお酒を飲んで寝る。週に一回、毒親の母と緊張しながら話す。 顔の火傷と、合理的な思考や会話のせいで周りから変人扱いされ、友だちも恋人もなく、それを気にもして

読書感想『リトル・チルドレン』

“Little Children” by William Saroyan 『リトル・チルドレン』 ウィリアム・サローヤン 著 吉田ルイ子 訳 サローヤンを憧れの吉田さんが訳した!しかも表紙は和田誠さん!と、1人で図書館の棚の前で興奮して借りてきた。いいの、わかってもらえなくても。 サローヤンが自分と同じアルメニア系移民たちを主人公に書いた短編集。主人公のほとんどは子どもや若い人だが、『農夫の幸せ』『猫』『ピンボール・マシーン十字軍』などは、これはもう大人になった人独特の切

読書感想『さがしています』

“Lost and Found” These things lost owners by Atomic Bomb at HIROSHIMA. They talk about their owner’s life and death. We must not make the same mistake again. Toshiyuki was working far place from his home when atomic bomb attacked Hiroshima

読書感想『僕は上手にしゃべれない』

『僕は上手にしゃべれない』 椎野直弥 著 中学生になった悠太は、吃音を隠したいために自己紹介も仮病を使って逃げ、自発的に人と関わることができない悩みを抱えていたが、「しゃべることが苦手な人でも大歓迎」と書かれた勧誘チラシに心惹かれ、放送部のドアを叩く。 ご自身も吃音でいらっしゃるという椎野さんによる、吃音者のリアルな苦しみを描いた青春小説。 FBの読書グループでもお勧めされる方がいらしたのと、息子の友だちや、自分の職場にも吃音のお子さんがいるため、他人事に思えず読んだ

読書感想『ブルーバード、ブルーバード』

“Bluebird, Bluebird” by Attica Locke 『ブルーバード、ブルーバード』 アッティカ・ロック 著 高山真由美 訳 テキサスの小さな町で2人の他殺死体が発見される。1人は都会で弁護士をしていた黒人男性。もう1人は地元のバーでウェイトレスをしていた白人女性。友人から依頼され、しぶしぶ調査にやってきた停職中の黒人テキサス・レンジャーであるダレンは、事件に関わる内に自分の抱える問題にも対峙せざるを得なくなるが… ハヤカワミステリ、そして翻訳