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ほんのくいちらかし

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ほんのむしの読書記録 ときどき古本市
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2020年5月の記事一覧

『文鳥・夢十夜』

The 7th of 7Days Book Cover Challenge. “7Days Book Cover Challenge”7冊目。 ついに最終日。 7冊と限定されるとかなり悩んだが、最後はバタンを渡す方と、このバトンを受け取ったとき、真っ先に浮かんだ本にした。 『文鳥・夢十夜』 夏目漱石 著 表題だけでなく『永日小品』『倫敦消息』『自転車日記』『京に着ける夕』が収録されており、改めて読み返すと、やはり面白い。淡々とした文章でありながら、そこ

『南島の神話』

The 6th of 7Days Book Cover Challenge. “7Days Book Cover Challenge” 6冊目。 『南島の神話』 後藤明 著 ハワイはじめ、ポリネシアの神話を解説しつつ、日本や東アジアの神話との類似点から人類と文化の軌跡を追う、文化人類学の面白さが詰まった本。 だいぶ昔とはいえ、この本を読んでいたお陰で、片山一道先生の『骨が語る日本人の歴史』も深く読むことができたと思う。 息子がまだよちよち歩きだった頃に

『パパ・ユーア クレイジー』

The 5th of 7 days book cover challenge. “7days book cover challenge”5冊目。 『パパ・ユーア クレイジー』 ウィリアム・サローヤン 著 伊丹十三 訳 10歳の少年が語る、作家である父親との生活。 この作品に関しては、サローヤンというよりも、伊丹十三の作品ではないかと思えるほどの名訳で、瑞々しい感性や言葉の使い方は万人受けしないかもしれないが、伊丹さんにしか書けない文章であり、日本人に

『土曜日の絵本』

The 4th of 7 Days Book Cover Challenge. 『土曜日の絵本』 川崎苑子 著 あるところに、若い夫婦がおりました。ある日、2人のもとにコウノトリが元気な赤ちゃんを連れてきました。 若い2人は嬉しくて、三日三晩考えて、素敵な未来がくるように、と、名前を「未来」とつけました… やさしい絵柄で、おとぎばなしのように始まるが、ミクちゃんが6歳になり、新しいお家に引っ越してまもなく、パパとママはケンカをして、ママは2人を置いて家を出て

『風の名はアムネジア』

The 3rd of 7 Days Book Cover Challenge. 『風の名はアムネジア』 菊地秀行 著 全人類を未曾有の災害が襲い、荒廃した世界を1人の少年と1人の女性が旅する、という、銀河鉄道777のような、よくあるディストピア小説ではあるものの、お得意のエログロナンセンスな部分も含めて、菊地秀行さんはこれこそがいちばんの作品であり、他は『吸血鬼ハンターD』含め、全て自作の劣化コピーだったんじゃないか、と思ってしまうほど、長年経っても手離せない、力

『春になったら苺を摘みに』

The 2nd of 7days Book Cover Challenge. ブックカバーチャレンジ2冊目。 『春になったら苺を摘みに』 梨木香歩 著 私が現代の作家さんで最も日本語が美しいと尊敬している梨木香歩さん。 英国で児童英文学を研究されていた時代を思い返されたエッセイ。下宿先のイギリス人婦人や下宿人との交流も含め、ここからかの名作「村田エフェンディ滞土録」が生まれたのではないかと推測している。 #7daysbookcoverchallenge #梨木香

『詩人からの伝言』

The 1st of 7Days Book Cover Challenge. バトンをいただいたので、7days book cover challenge開始。 本来のルールであれば一冊ごとに次の方を指名するのですが、まあそれぞれご事情もあるので、受けてくださった方のみ指名させていただき、その方々からのバトン義務はなしとさせていただきます。 あくまで、新型コロナ感染症に対する文化的、前向きな生活への個人の意志表示であると考えております。 また、この活動によっ