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将棋界ミステリ「千里の棋譜」

Switch、PS4、Steam、iOS/Android で3000円くらい。セールで半額になったり。
10時間くらいで大体読み終える。

将棋指してる描写は多く、プロ監修のもと棋譜も作られている

あらすじ

フリーライターの一ノ瀬歩未は、幼馴染で奨励会三段(プロの手前)の長野圭の伝手によって、将棋連盟会長・永峰國雄の取材に来ていた。
2人は、何者かによって荒らされた部屋と、倒れ伏した永峰会長を見つける。しかし会長は警察への通報を禁じ、内々に処理してしまう……
将棋界に隠された秘密に迫るため、暗号や歴史を調査して事件の犯人を探るミステリADV。

システム

マップ移動や選択肢があるタイプのADV。
途中から選択肢によってGAME OVERになったりする。
謎解きについては、詰将棋(パズルみたいなもの、解かずにパスしても問題ない)や犯人当て(ちゃんと流れを汲んで推理する必要がある)がある。

難易度

詰将棋をまじめにやるなら、将棋遊んだことある程度の知識は必要かも。
話を理解するにあたっては、解説がふんだんにあるためド素人でもOK。
なんか……すごい勝負をしているんだな……!!という雰囲気プレイでも何ら問題ない。
ミステリ部分はアリバイやトリックの話になって将棋あんまり関係ない。

雰囲気

将棋というより、現代将棋界をテーマにした作品。
将棋は四段からがプロなんだけど、三段から四段に上がれるのが半年に2人だけで、上がれないまま満26歳を迎えるとゲームオーバーになり退会させられるんだそう。そういう厳しい世界であることとか、
将棋AIとの共存の話とか、圧倒的な才能の差の話とかが出てくる。
実在のプロも何人か登場する。

感想

最後までするする読める程度には面白かった。
将棋は「りゅうおうのおしごと!」くらいの知識しかなかったが、将棋界の厳しさがよく表現されており没入感は中々。
システムが親切めに作られていて遊びやすいのだが、スクリプトの勢いがなく、めちゃめちゃ盛り上がる!というシーンがないのがイマイチ。
さらにこれはシナリオライターの癖だと思うのだが(最近同ライターの「人形の傷跡」をプレイしたこともあって)、伏線の忍ばせ方と回収のペースがのんびりしていて盛り上がりに欠ける。
「ここで実は……!」という伏線開示をする時に、「一方その頃……」とか「それってつまり……」とか挟むせいで勢いを削いでいる。
説明が親切すぎるのが仇になったか。

総じて、常に一定の面白さを維持しつつも瞬間風速が弱い作品という印象に。

あと、声優が……何人か下手で……
レイジングループもそうだったけど。KEMCOはさぁ……