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群像劇ADV金字塔「428~封鎖された渋谷で~」

初出はWii。SteamやPS4で4000円くらい。セールで半額になる。

2008年ごろの渋谷が舞台

あらすじ

渋谷のハチ公前で、女はアタッシュケースを持って誰かを待っていた。
ケースの中には5000万円。
女は誘拐犯を待っていた。昨晩誘拐された双子の姉を助けるため、身代金を持って。
当然、周囲には多くの警察が張っている。
渋谷の命運がかかった長い1日が、始まる。

システム

数人の主人公たちの視点で物語を読み解いていく。
それぞれ全く異なる事情で渋谷を駆け巡ることになるのだが、
誰かの行動・選択によって他の主人公の状況に影響を及ぼすことがあり、
大抵の場合BAD ENDに繋がってしまう。
全ての主人公でBAD ENDを回避することで、次の1時間へ駒を進めることができる。そのため、色んな主人公の選択を1つずつ調整していって全員が進めるようにする、ある種パズルの要素もあるADVゲームとなっている。

難易度

終盤はちょっと難しいが、全体的には易しい。
選択肢を選び直すだけで先へ進めるからだ。

雰囲気

誰かが命がけで誘拐犯を追っている中、誰かはペンダントを買うためにアルバイトをしており、また誰かは雑誌の取材をしている。
そんな、大勢の人が当たり前に過ごす日常から、渋谷全てを巻き込む大騒動に発展していく様は圧巻の一言。
ADVゲームの名作として名を馳せるだけのことはある。

感想

終盤、ひとり またひとりと物語を終えて主人公でなくなっていく人々を見て、終わりが近いことを悟っていたが――
その最終面で突然主人公になった人たち!
このゲームでこそ可能な「終盤での主人公への昇格」は、
それまで謎に包まれていた彼らの背景を語らせ、物語の主人公足りうると証明し、そして役目を果たす。
群像劇を描くためのゲームシステムとしてあまりに完成されている。
これがWiiのゲームだったとはな……驚くばかりである。