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第五の日「デイグラシアの羅針盤」

Switchで1000円ほど。
累計15時間くらいで全ルート回収した。

本棚に7年眠ってた、C87で入手したCD-Rのジャケットがこれ。
ちなみにこのロムには最初の1ルートだけが入っている。

あらすじ

2033年、8月1日。
乗客約60名を乗せた深海遊覧船「SHEEPⅢ」は、深海へ沈没した。
深海で生き残った6名による疑心暗鬼と生存競争の物語。

システム

ほぼ分岐なしの一直線ADV。
エンディングは全部で3つあり、結構手前で分岐するので実質3ルートある。
エンディングを1つ見ることでシナリオ分岐が解禁されるため、実質選択の余地なく3つのルートを順番に読むことになる。

難易度

物語の難易度で言えば、結構難解め。
一応大体の説明はあるが、科学SFであるためある程度の素養は求められるかも。
ゲームの難易度としては、2つ目のルートは1周目になかった選択肢が登場するので分かりやすいが、
3つ目のルートへ入る方法はピンとこないとかなり難しいだろう。
エンディング2を見ていないとロックされている手段。

雰囲気

人は死にます。
自分も周囲も何回か発狂するので、精神的恐怖を苦手とする人にはあまりオススメできない。
そういうのが好きなら向いてる。つまり私のことです。

感想

ミステリとして読むなら伏線の多さに舌を巻くだろうが、特に1周目は開示されていない情報が多すぎて(かつ、何度も出てくる伏線が多くて)
サイコホラーの印象が強かった。
2周目をクリアし、エクストラストーリーを読み、そして3周目をプレイしていくと驚くほど気持ちよく読める。

価格設定は同人ゲー由来のものかと思うが、話の練られ具合や文量はプレイ時間を見た通りのヘビーさがある。

最初のエンディングを迎えたあと、異なるエンディングを求めて旅立つプレイヤーを待っているのは……
「どうやって次のルートへ行くんだ?」という疑問。
2周目への分岐条件はエンディング1を迎えることなので、その時点で「あのとき」のクイックセーブをロードすればすぐに第2ルートへ入れる。
3周目への分岐条件は「名前」であるため、実質最初からやり直すことになる。また、きちんとお話を理解して、ミスリードに気付いていないと適切な名前を入力できないかもしれない。
エクストラストーリーは分岐条件ではないが、補足情報として3周目前に読んでおいてもよい、くらい。

キャラクター造形への感想を述べるなら……
一部のキャラの性格や物言いが、プレイヤーに隠しておきたい事実から目を逸らさせるために有効に使われているな、と感じた。
あと多分制作陣の趣味は低身長お姉さんだ。
そして暗い過去を持ちながらも懸命に前を向く薄幸なおじさんが性癖だろう。立ち絵のないおじさんたちもね……