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夏の終わり「ライザのアトリエ3」

終わりの錬金術士と秘密の鍵。
Switch,PS,Steamで8000円くらい。例によってそのうち安くはなる。
プレイ時間40時間くらい。慣れてるから難易度VHにしたけども。

プレイアブルは総勢11キャラ

あらすじ

前作「ライザ2」から1年。
島の技術面を一手に担うまでに成長したライザリン・シュタウトは、突如島の西方に現れた「カーク群島」の対処に向かう。
危険な魔物に遭遇し、かつての仲間たちに召集をかけ、群島にある「門」と「鍵」の謎に迫る。
島の未来を案じながら、同じように将来に悩む仲間たちと様々な土地へ旅に出る。

システム

錬金パズル×RPG。
同一主人公での3作目はシリーズ初であり、場数を踏んできた主人公であるためか、最初からレベルも高いし錬金の幅も広い。
錬金の仕様そのものはライザシリーズの流れを踏襲しており、追加要素として「鍵」で有利な効果を得られるようになったり、一度しか引継ぎできないかわりに効果量の大きい「超特性」が実装されている。
バトルもいつも通り、通常攻撃でAPをためてスキルで殴りCCをためてアイテムを使う、という流れのままだ。
今作のクリスタルコア調整はかなり強力で、中盤くらいから戦闘直後に爆弾なげて一網打尽、というのを回数制限なく行える。

難易度

ライザシリーズを経験していれば、かなり易しい。
易しいだろうと思ったからVeryHardにしたけど、相応に装備やアイテムを整えれば楽々だった。

ライザシリーズでネックになるのはアイテム複製に必要となるジェムの稼ぎで、強化ゼッテル+旅人の水珠=大量の超純水、という稼ぎは今作も可能。
が、強化ゼッテルを作るのに必要な素材の入手場所に悩んだ。
(結局攻略見た)
今作、マップがかなり広いうえに全4地方あるので探索箇所は過去最大といえるのだが、メインクエストだけだと隅々まで探索することがないため、一部地域でしか採れない素材がいつまでも図鑑に載らず悩む、ということが起きうる。
もうちょい店売りの幅でカバーしてほしかった気持ち。

あと、装備は下位から数珠繋ぎにレシピ進化できる仕様でなくなったので、投入回数を稼いでインゴット大量投入によるステータスお化けを作るのは難しくなった。
とはいえVH程度なら強力なコモン装備とエリキシル剤で問題なく耐久できるので、あまり根を詰めた調合は不要。

雰囲気

これまでの旅路の総まとめ。
この作品の主題は「夏の終わり」と言われてきたが、それはつまり
「幼年期の終わり」を意味する。年齢相応に言うならばモラトリアムからの脱却、になるかもしれない。
将来のこと、家族のこと、故郷のこと。守りたい色んなもののために子は旅をし、成長して帰ってくる。
そういう話の流れを大小重ねて全てに決着をつけて、「ライザのアトリエ」の終わりを描く。

感想

エピローグの最後の一文が地の文なんですけど、
とーっても 高橋弥七郎を感じられた。
最後に風が吹く。

羊宮妃那うまいよね、のじゃロリもできるんだね。
ソフィー2の上田麗奈(荘厳な幼女)とは対照的に、子供っぽいけど威厳ある老獪、という演技に痺れた。

アトリエシリーズも長いものでもう25周年になるんだけれど、
明確にカップリングが決まってるペアって少なくて、(男主人公は割と相手決まってるが)
そんな中で主要キャラから3組も結婚に近いペアを輩出したのは革新的な出来事なんだよね。
エンディングが1種しかないのを貫いたあたり、ライザシリーズは小説のゲーム化に近いものを感じる。高橋弥七郎だもんな。

太ももで客寄せし、ゲーム性で遊んでもらい、シナリオで評価される……という完璧なプランだね。
コンプラカメラワークはやっぱ酔うんだけど、ライザ2最悪の仕様たる「イベント中でもお構いなしに降る雨」がなくなったのは良かった。
総じて、80点のゲームって感じ。どう評価しても80を下回りはしないし上回りもしないな、ってあたりに手堅いゲーム作りを感じるよ。