ダボス会議でのプーチンのスピーチ。1930年代は世界大戦につながった、今日は紛争を避けられるか？
2022年3月8日 17:00
元記事はこちら。
ダボス会議でのプーチン演説：1930年代は世界大戦につながった、今日、紛争は避けられるか？
ロシアのプーチン大統領は、ダボス会議のアジェンダ・フォーラムで演説し、「歴史上、現代に直接類似するものはない」と述べた。しかし、専門家の中には......現在の状況を1930年代と比較する人もいる......」。ご存知のように、20世紀はこのような問題に対して本質的な解決策を見出すことができず、また見出そうとしなかったために、第二次世界大戦という大惨事につながったのです。もちろん、このような白熱した世界的な紛争は原理的に不可能である、と私は思います。それこそ人類の終焉を迎えることになるので、私はそれに望みを託している。しかし、先ほどから申し上げているように、私たちが何か対策を立てない限り、事態は予想外の、どうしようもない方向に向かう可能性があるのです。万人の万人に対する戦争、内外の敵の登用による矛盾への対処の試み、家族などの伝統的価値だけでなく・・・基本的自由の破壊・・・といった手ごわい世界発展の崩壊に直面する可能性があるのです。
「私たちは、悲惨なディストピアのようなシナリオを防ぎ、私たちの発展がポジティブで調和的、創造的な別の軌道に乗るようにする責任を共有しています」と続けたプーチンは、国際社会が直面している3つの大きな課題を挙げました。
第一に、過去数十年の間に生活水準は全体として大きく向上したが、その恩恵は主に少数の人々に集中している。1日5.50ドルの所得を例に、中国は貧困ライン以下の人口を11億人から3億人に、ロシアは6400万人から500万人に減らし、一方で米国は2000年から2016年にかけて360万人から560万人に増加した、と自慢げに語った。"しかし......企業の利益という点では、誰が収益を手にしたのでしょうか。答えは明確で、人口の1％である。" 過去数十年の金融化と環境主義への移行で「先進国」を襲った経済的な倦怠感を取り上げ、「過去30年間、多くの先進国で、国民の半分以上の実質所得は増えるどころか、停滞しているのです。その一方で、教育や医療サービスのコストは上がっている。どのくらいかご存知ですか？3倍です」。このアンバランスの原因は？1980年代に追求された政策、つまり『ワシントン・コンセンサス』の直接的な結果なのです」。
世界的に債務がGDPの2倍、一部の国では3倍以上になっている一方で、金利は実質ゼロ、多くの新興国経済ではすでに歴史的低水準にある。"いわゆる量的緩和は金融資産価値のバブルを拡大し、社会格差を深めているだけだ。" 消費促進という数十年前の手段はもはや通用しないのである。その影響は？"経済問題と格差の拡大が社会を分裂させ、社会的、人種的、民族的不寛容を引き起こしている。"
次に、プーチンは、迫り来るハイテク大手の問題を取り上げた。「ある分野では、彼らは事実上、国家と競争している」と述べた。「彼らのオーディエンスは、生活のかなりの部分をこれらのエコシステムで過ごす何十億ものユーザーで構成されているのです」。
"社会は、このような独占主義が公共の利益を満たすかどうか疑問に思っている。これらのハイテク大手は、"法的な民主主義機関に取って代わり、人々がどのように生き、何を選択し、どんな立場を自由に表現するかを自ら決定する自然権を、本質的に人々から簒奪または制限すべきである "と述べているのである。圧倒的多数の人々がこの疑問を共有していると確信しています。"と指摘した。
第三は、国際関係の問題である。国内でのトラブルにより、政府は国内外を問わず、制裁、貿易戦争、規制など、ますます攻撃的な行動をとり、敵のイメージに頼るようになっている。"このようなルールのないゲームは、一方的な軍事力行使の危険性を決定的に高める。"
世界の不安定な成長の理由を解決するために、プーチンは「世界は、100万人、あるいは黄金の10億人にしか利益をもたらさないような経済を作り続けることはできないことは明らかだ...」と警告しています。移民危機をはじめとする最近の動きで、このことが改めて確認されました。"
"世界には、それぞれ独自のモデル、政治システム、公共機関を持つ、実にさまざまな発展センターが形成されているのが現実だ。今日、無政府状態や一連の紛争の長期化を防ぐために、彼らの利益を調和させるためのメカニズムを作ることが非常に重要だ」とプーチンは聴衆に語った。ロシア、イラン、トルコによるシリア安定化のためのアスタナ会議、ロシアの介入によるアゼルバイジャンとアルメニアの流血の終結、エネルギー市場におけるロシアとサウジアラビア、アメリカの協力などを例に挙げながら、プーチンは次のように述べた。このような協力は、検査やワクチン接種のニーズを達成するために支援を必要とする国々を支援するために必要である。
プーチンは、今回の会議のテーマである「グリーン」について、わずかな文章で短く説明し、その実施に反対を表明した。
プーチンは、主催者のクラウス・シュワブ氏の質問に答え、欧州とロシアが「過去数世紀から受け継いだ」問題を乗り越え、未来を見据えることができれば、「我々の関係には必ず良い段階が訪れるだろう」と述べた。
"我々はその準備ができており、それを望んでおり、それを実現するために努力する "と彼は締めくくった。「しかし、愛は一方からだけ宣言されるのでは不可能だ。それは相互のものでなければならない。"
演説の全文はクレムリンのホームページに掲載されています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？