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イフタールに招かれて

「ラマダン」と「イフタール」とは?
「ラマダン」とはイスラム教の五行のひとつである「断食」を行う月のことで、2023年のラマダンは、3月22日から4月21日に実施されています。

この期間、イスラム教徒の方は、日の出から日没まで、日中は飲食を控える生活をしています。空腹を感じることで貧しい人たちの気持ちを理解したり、世界中のイスラム教徒が同じ時期に断食をすることによって、イスラム教徒としての共感や一体感を感じるためと言われています。

ラマダン中、日中の断食を終え、最初に食べる食事のことを「イフタール」と言います。
この「イフタール」はイスラム教徒の方にとって、とても重要な意味を持っており、家族や友人が集まって食事をとることもあるそうです。

イフタールご招待
我が家で受け入れしたホームステイゲストさんの中には、日本の大学を卒業後、帰国せず日本で就職して家庭を築いている方がたくさんいます。
その中の一人、バングラディシュ人のご家族から、イフタールに招待されたので、娘と一緒に行ってまいりました。

私はムスリムではないのと、空腹には耐えられないので、イフタールに招待された日も、朝から飲食をしていましたが、イフタールではたくさんのご馳走が出ると聞いていたので、いつもよりは控えめにしておきました。

総勢20人でのイフタール開始
家族や仲間と大勢で集まって食べるのが本来のイフタールの過ごし方とのことで、近隣に住むバングラディシュ人のご家族が集まり、総勢20数名(赤ちゃんや子供含む)でイフタールが始まりました。
元ゲストさん以外は初対面の方ばかりでしたが、みなさん、私の都合に合わせて予定を組んでくれたそうです。

私たち以外は全員バングラディシュ人で、男性は「パンジャビ」という伝統服、女性は「ブルカ」という上着と頭にショールもかぶって全身をすっぽりと隠した衣装を着ていました。女性は明るい色が好きな方が多いようで、ショッキングピンクや爽やかすぎる青色衣装など、皆さんとてもおしゃれでした。
そして、テレビ画面には礼拝のライブ中継が流れていました。

バングラディシュの家庭料理
それぞれの家族が料理を持ち寄る、ポットラック形式のパーティーだったので、色々な料理(忘れないようにメモした料理名は下記参照)をいただくことができました。
・カラチャナ(黒ひよこ豆)とムリ(パフライス)
・ダレルボラ (レンズ豆のかき揚げ)
・マトンのビリヤニ(炊き込みご飯)
・シュキボルタ(干し魚をマッシュしたもの)
・シンガラ(サモサ)
・ベグニ (なすの天ぷら)
・アルチョップ(ピリ辛卵コロッケ)
・パエシ(牛乳に米とスパイスを入れて甘くしてお粥状にして冷やしたデザート)
他にもいくつか料理が並んでいました。中にはとても辛くて、一口食べただけで汗と涙が出てくるものもありましたが、日本ではなかなか味わうことができない、個性的な料理を堪能することができました。

最初はデーツ
イフタールでは、多くのイスラム教徒はムハンマドにならってまずデーツ(ナツメヤシの実)から食べ始めるそうです。
デーツで断食を解いた後、マンゴージュースで乾杯をしてから食事が始まりました。

食事のルール?
もちろん、お酒と豚肉は食べません。
これはイフタールに限らず、ハラールで全面的に禁じられています。
食事の前に、まずは礼拝をします。
男女は別々の部屋で食事をするそうです。(子供はOK)
そして部屋の床にじかに座って談笑しながら、お食事をします。
みなさん、スプーンやフォークは使わず、手で混ぜながら食べていました。

無宗教の私がイフタールに参加することについて
ムスリムの方にとって、このイフタールの時間は家族や友人などと過ごし、ラマダンの楽しみの一つになっているそうです。

私は無宗教で信仰心が無く、断食もしていないのに、この貴重な食事の時間に参加することに違和感がありました。
ですが、元ゲストさんは、そんなことは全く気にしなくて良いよ!ムスリムの文化を紹介したかっただけだから!なかなか良い習慣でしょ?と笑顔で言っていました。

感想
ラマダン月には、寄付や奉仕などがいつも以上に積極的に行われ、この期間に、食べ物のありがたみ、貧しい人の苦しみを知り、他者への思いやりの心を呼び覚ますという意味もあるそうです。

私は、今回このイフタールに参加するまで、ラマダンって苦しくて辛い期間で大変そう!と思っていましたが、彼らにとってラマダンとは神聖な期間であり、神に対して良い行いをしていると証明できる素敵なことで、誇りをもってやっていることを知りました。

バングラディシュ料理は、日本人にとっては好き嫌いがわかれる味で、おかわりするほどおいしいものもあれば、正直、完食するのは厳しいかも?というものもありましたが、私も娘も出されたものは全て食べきりました!

イフタールに参加して、日本にいながら異国の文化を知ることができ、イスラム教の考え方や生き方も知ることができ、とても勉強になりました。素敵な経験ができて良かったです。





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