20代女性の胸との付き合い方

タイトルにもある通り「20代女性の胸との付き合い方」として、少しだけ意識の共有ができたら良いなと思っています。

結論から言ってしまうと、20代女性でも「乳がん検診」+「セルフチェック」は大切だということを伝えたいです✨

日本の乳がん検診

そもそも日本の全世代での乳がん検診率はかなり低く、40%ほど。
アメリカ、イギリスが80%前後、オランダ、ニュージーランドが70%前後、韓国が50%ほどど、諸外国と比べて日本の受診率は圧倒的に低いです。

国が推奨している乳がん検診の対象は、40歳から2年に1回、マンモグラフィ(乳房X線検査)となっています。

そりゃ若い世代の乳がん意識は高くならないというわけですね。

という側面があり、日本の乳がん患者や、乳がんで亡くなる人が増えているのです。

日本の乳がん検診の種類

「乳がん検診って何やるの?」という疑問を解消できたらと思い、ここで少しだけ乳がん検診の種類について補足します。

一般的には、「触診+マンモグラフィ(乳房X線検査)が推奨されていますが、年齢や体質によって「超音波検査(エコー検査)」が適切な場合があります。

触診
乳房を直接触って、しこりや分泌物、形に違和感がないかなど確認する

マンモグラフィ検査
専用の圧迫板で胸を平べったく挟み、X線撮影をする(乳腺の全体像や、石灰化など、触れにくいものを見られる)

超音波検査
胸に超音波を当てて、反射波を画像に写し出す(しこりだけでなく、乳腺の状態なども見られる)

マンモグラフィは、受診の継続によって、統計学的にも乳がんによる死亡率低下を証明されています。

ただ以下のような人は、マンモグラフィが適切でない場合があります。
・妊娠中の人
・デンスブレストの人(高濃度乳房、不均一高濃度乳房)
・年齢が比較的若めの人


マンモグラフィは少量ではありますが、放射線が含まれるため、妊婦の方には適していません。
また、若い人やアジア人女性に多い「デンスブレスト」は、乳腺組織が多く、マンモグラフィで撮影すると真っ白に写ってしまうことがあります。


デンスブレストであること自体は異常ということではないですが、マンモグラフィのみで検査を行なっていても、しこりが発見しにくいため、超音波検査を併用(もしくは超音波検査のみ)する場合があるということです。

超音波検査では、乳腺の状態に関わらず、小さなしこりの発見、しこりの質的な診断ができることや、痛みが全くないことがメリットです。

一方で、がん以外の良性の所見まで発見されてしまうことが多く、再検査が必要になってしまうことや、施行者の技術にも左右されてしまうといったデメリットもあるようです。

私が経験したこと

ここまでは一般的な情報を書いただけですが、ここからは私が経験したことを順番にお話ししていきたいと思います。

今まで何度か乳がん検診をしてきましたが、現時点での私の胸には、13mm程度の乳腺線維腺腫という良性のしこりがあります。

ちなみに、20代後半で、家族・親戚に乳がんを持っている人はいません。

難しい名前ですが、若い人に(10代から30代)よく見られる良性のしこりで、通常は2-3cmほどで増殖が止まり、また、基本的に乳腺線維線種は悪性に変わることはないと言われています。

「若い人によく見られる良性のしこりなら大丈夫じゃん」と思われるかもしれませんが、ポイントはそこではなく、「胸の中で何が起きるのか、どう変化していくのか」知ることが大切だと思っています。

振り返ってみると、生理や婦人科系の話題で友達と話すことはあるけど、乳がんについてほとんど話したことがないなと。
(少し前に、たまたま、友達の胸の異変を聞いて、あ、私はどうだろう。と考えていた矢先のことでした。)

時系列で追っていくと、リアルな過程が分かると思うので、追っていきます。

乳がん検診からしこりの確定診断まで

流れはこんな感じです。

2019年11月
会社の定期健康診断で、「触診」「超音波検査」を受ける
(35歳以下は、マンモグラフィではなく、超音波検査指定」
→所見なし

2020年9月
会社の定期健康診断で、「触診」と「超音波検査」を受ける
→「左乳腺腫瘤の所見あり、経過観察が必要」との通知を受ける
→経過観察なら来年で良いかと思いつつ、看護師の母に相談、乳腺クリニックの受診を勧められる

2020年12月
地元の乳腺クリニックを受診
「触診」「マンモグラフィ検査」「超音波検査」を受ける
→触診でしこりの位置を確認
→マンモグラフィ検査は真っ白で何も見えないw
→超音波検査で10mmほどのしこりを確認

色々検討して、「細胞診」をやることに

1週間後結果を聞く
→カテゴリーIIの判定(良性のしこりであり、乳がんの所見は認められない)
→とりあえず念のため、1年間は3ヶ月ごとの定期検査に

2021年2月
地元の乳腺クリニックで「触診」「超音波検査」を受ける
→超音波検査でしこりが11mmになっているのを確認(1mm大きくなってる)
→次大きくなったら「組織診」やることに

2021年5月
地元の乳腺クリニックで「触診」「超音波検査」を受ける
→超音波検査でしこりが13mmになっているのを確認(さらに2mm大きくなってる)

確定診断のため、「組織診」をやることに

1週間後結果を聞く
→「良性の乳腺繊維腺腫」の確定診断
→手術必要なし、経過観察でOK(3cm以上になったら取り除く手術検討)

所々よく分からない検査の名前など入ってきましたが、何回も検査を繰り返し、ようやく確定診断が出たという感じです。

では、ここからはもう少し深堀していきます。

確定診断までの心境の変化

1. しこりが見つかるまで

もともと体に気になることがあれば、病院を受診するようなタイプなので、「眼科」「歯医者」「婦人科」は定期的に検診・処方に訪れています。

特に女性特有の「婦人科系」は気を付けたのですが、そういえば自分に胸に関しては、あまり意識したことはなかったような気がします。

それでも会社負担で、毎年乳がん検診を受けさせてもっていたことはありがたく、そこで安心していたのかなとも思います。

その会社の検診ではじめてしこりが発見されたときはちょっと焦りましたが、「経過観察」という診断だったので、一旦大丈夫だろうという気持ちに変わりました。

2. はじめての再検査

念のためと思い、地元の乳腺クリニックを受診。健康診断で所見ありという診断をもらっていたので、乳腺クリニックの方では「保険適応」ですべての検査をやってくれました。

-触診
受診前に自分の胸をセルフチェックしたものの、しこりを見つけることができなかったのですが、クリニックの先生はすぐにしこりを触ることができ、位置を教えてもらいました。自分で気がつかなかったことに少し残念になりました。触った感じ、滑らかで弾力がある感じらしいですが、正直自分ではよく分からなかったです。

-マンモグラフィ検査
痛いと聞きましたが、個人的には全く痛みを感じず、少し皮膚が引っ張られる感じという印象でした。15分ほどで終わった感覚。案の定、「若いから白く写ってしまい、何も見えませんね」と言われました。

-超音波検査
ジェルを付けて胸に超音波機械を当てていく検査は、全く痛みなし、ただ20分ほどじっと待つだけで終了。施工者さんが見ている画像を覗いていると、動かないでくださいと注意されたので、とりあえずじっと待つだけです。
画像を確認すると、楕円形の滑らかなしこりの影を確認しました。

-セルフチェックレクチャー
結果を待っている間に、看護師さんからセルフチェックのやり方を教わりました。胸の模型からしこりを見つけるのですが、何も知見が無い状態からやってみると、何も発見することができませんでした。思った以上に、強めに円を描くようにチェックしないと分からないということがここで初めてわかりました。

すべての検査が終わり、診察室へ。
触った感じ、エコー画像で見た感じ、年齢からすると、恐らく良性の腫瘤だとは思うとのこと。ただ、まだ小さくて、色々なパターンが考えられるから、穿刺吸引細胞診という「細胞診」をやることになりました。

細胞診
注射針と同じくらいの細い針で、シコリの病変部の細胞を一部採取。
顕微鏡を使ってがん細胞か、そうでないかを調べる検査。
針が細いので、医者によって痛み止めを使わない場合/使う場合がある。

私の場合は、痛み止めを打ってもらってから、細胞診をやりました。はじめの麻酔の注射でチクッと感じたくらいで、細胞診の最中は痛みは感じませんでした。強いていうなら、細胞を吸い取られるのを少し感じたくらい。
計15分ほどで終了!

そして1週間後、細胞診の結果を聞きに。
結果は、「十分な細胞が取れている」「カテゴリーII、良性のしこりであり、乳がんの所見は認められない」とのことでした。多分大丈夫であろうと言われていたものの、結果を待っている間が一番不安だったのを覚えています。

3. 3ヶ月ごとの定期検査と確定診断

一旦、良性の所見であることがわかりましたが、1年くらいは3ヶ月ごとの検査を行って、しこりの変化を見ていくことになりました。

はじめの3ヶ月は、1mm大きくなっていましたが一旦様子見。さらに3ヶ月後、2mm大きくなってきたので、「このしこりが何なのか確定診断しましょう!」ということに。

私の場合は、がんである確率は極めて低く、どちらかというと良性のしこりの中でいくつか検討できるものがある感じでした。
それが、「乳腺線維腺腫」「葉状腫瘍」「乳頭内乳頭腫」のどれか。

確定診断するために、針計検という「組織診」をやることにしました。

乳腺線維腺腫
悪性に変化しない良性の腫瘤。
10代から30代に多くみられる。
円形または楕円形、滑らかで境目がはっきりしている。
少しずつ増殖するが、2-3cmほどで成長が止まり、年齢とともに小さくなったり、しぼんで無くなる。
基本的に手術不要で経過観察で良いが、まれに10cmほどまで大きくなることもあるため、3cmを超えたら摘出手術を検討する。

葉状腫瘍
30代から50代に多くみられる。
「良性」「境界型」「悪性」に分かれる腫瘍。50%ほどが良性。
円形または楕円形、滑らかで境目がはっきりしており、線維腺腫と判別が難しいことがある。
ただ急激に大きくなる場合があるため、その場合は葉状腫瘍を疑う。
良悪性に関わらず、再発を繰り返す性格があるため、葉状腫瘍と診断された場合は、摘出手術を行う。

乳頭内乳頭腫
乳管のなかにできる良性の腫瘍。
自覚症状としては乳頭からの分泌物がある。
乳管内乳頭腫と乳頭状型の非浸潤性乳管がんとの鑑別診断をすることは時に難しいことがあるため、がんとの判別が重要。
また、線維腺腫と葉状腫瘍とも判別が難しいこともあり。
基本的に手術不要で経過観察で良いが、悪性の可能性が含まれる場合は、摘出手術を行う場合あり。
組織診
ボールペンほどの太さ約2mmの針をシコリのある病変部に刺す。
採取した組織から、がん細胞か、あるいはどのような性格を持つがんかを調べる。
がん診断だけでなく、似たようないくつかあるしこりから、特定の診断をつける。

細胞診の時よりも太い針を使うため、痛み止めは必須。この時も、麻酔の注射のチクっとした痛みのみで、組織診の際の痛みは全くありませんでした。
ただ、組織をとる時に、「バチン」と割と大きい音がするので、びっくりしました。指したところから出血するので、5-10分ほど先生に強めに抑えてもらい、テープでガッツリ止めてもらい終了!
数日間はかさぶたのような血の塊が残りますが、あとで自然に消えました。

そして1週間後、組織診の結果を聞きに。
結果としては、「良性の乳腺繊維腺腫」との確定診断でした。


この時は、「葉状腫瘍なら手術か」「まだ小さいうちに摘出手術できてラッキー」「でも悪性の場合もあるしな」「どうか乳腺繊維腺腫であってくれ」というだんだん不安な気持ちが増し、結果がどうであれ、早く結果を聞いてスッキリしたい気持ちが大きかったです。

とにかく定期検診とセルフチェック✨

実際、ここが一番伝えたかったメッセージなのですが、20代という比較的若い年代でも、定期検診とセルフチェックを行うことを強くおすすめします。

私は結果的に、今のところ「がん」や「悪性腫瘍」はありませんが、自分が30代、40代になった時に生かせる経験だと感じています。

個人的に、なにも自覚症状のない20代であれば、「2年に1回の超音波検査」「毎月1回のセルフチェック」で十分だと思います。

あまり乳がんに対して意識を持っていなかったけれど、会社の検診で見つかり、しこりの感触を知り、セルフチェックでの変化に気付けるようになりました。
今のしこり以外に、新しいしこりができた時、胸の形が変わった時、恐らくできるだけ早く気が付くことができると思いますし、検査に行く不安や偏見がほとんどなくなったことはとてもプラスです。(少しはあるかも)

一つだけ注意点をあげるとすると、過度に不安になって、短期間で検診や検査を繰り返したり、毎日セルフチェックをする必要はないかなと思います。

日本の超音波危機は高性能で、検査も割と安価で受けることができることもあり、「良性のしこり」なども見えてしまうという側面があります。
今回の私のように、結果として良性だったけど、それまでの間に何度か検査に通い、結果を待っている間に不安に襲われ、という、「精神的」「金銭的」なデメリットを持っているからです。

まずは、以下を意識することで今後の胸との付き合いが上手くなるのかなと思います。


1. 1ヶ月に1回正しいセルフチェック
生理が始まって約10日後にセルフチェック。
形、感触、分泌物の有無を確認。
「先月の胸との違いがあるか」「違いがあるなら、どんな違いがあるのか」を確認。

2. 定期検診に行く
2年に1回(心配なら1年に1回でもOK)、乳がん検診に行く。
超音波検査のみか、超音波検査とマンモグラフィ検査を併用すると尚良い。
触診はおそらくやってもらえると思う。(この時に触り方を教わるのも良い)

3. 何かあれば乳腺クリニックへ検査
セルフチェックでしこりを見つけた時や、定期検診で要精密検査になった場合には、再検査をする。
しこりの90%以上は良性であるため、過度に不安になる必要はなし。
変にネットで調べない方が良い。←強くおすすめするw


長々と書いてしまいましたが、ひとまず「セルフチェック」は最低でもやっておくと良いと思います:)
セルフチェックで何か違和感を感じた場合でも、たいていの場合は手遅れなんてことはないのですから。

それよりも無関心で生き続ける方がリスクが高いと感じます。

20代女性の一人として、自分の体と真剣に向き合ったという体験談でした✨







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