つばき 一色徳保さんについて

私が人生を通して大切に思う大好きなバンド、つばきのgt,vo,一色徳保(いっしきのりやす)さんが2017年5月9日に亡くなられました。37歳の若さでした。

つばきHP

ここ最近音楽系の仕事を探していて、その課題でつばきについて3000字以上綴って面接でつばきの話をしたばかりでした。
そのために15周年記念の本を読み返したりHPを見たりして、文章を書いて自分の人生はつばきとともにあるなと思っていたところでした。
拙いながらも心をこめて書いたので少し加筆修正し、別記事でそれも載せます。(読み返したら最初は作文として書いていたので一色と敬称略で書いていたものが自然と一色さんと綴っていました)


ここでは亡くなってしまった後で、お別れの会に行かせてもらった後で、会社に提出するためとは違う気持ちで書きます。

正直、結構覚悟していたつもりでした。でも全然できてなかった。
去年のブログの文章の違和感や、更新頻度の下がったInstagramや、今年の1月に見た正夢になった夜での姿。ここ最近の小高さんのツイート。
いつか終わりが来るってわかってたのに、またステージに立ってくれるって勝手に思っちゃってて、復活したのだって本当は奇跡ですごいことなのに、いつの間にかそのすごさも忘れて、当たり前みたいな気持ちでステージを見て音楽を聴いていた。
だって一色さん本当にいつも笑顔で冗談ばかり言って、みんなに心配かけないようにしてくれていたから。つい甘えてしまっていた。

一色さんは毎日、窓から空の写真を撮ってInstagramにアップしていた。あれを見るのが好きだった。
5月11日のお別れの会で、おかもとさんが「夫が”今日も生きているよって伝える為に撮っている”と言っていた」とおっしゃっていて、伝わっていたよって思った。それを本人から聞いていたわけではなかったけれどあれを見てそう感じ取っていた。きっと見ていた人たちはみんなそう思っていたよね。
だから、写真の構図が変わった時怖く思った。更新が途絶えがちになっていて、ここ最近は静かで気にかかっていた。
つい更新されていないか度々見に行ってしまっていた。

小川さんがライブで「俺たち解散とかしないしな」と言っていたのに対して一色さんが「それはわからないよ」って笑っていたけど、小川さんが「もう家族みたいなもんだから」って。
小高さんがお別れの会で「曽根さんをはじめ、俺らはいいチームだったよ」って。
小川さんも小高さんも「死ぬまでつばきの一色でいてくれた」といっていて。
闘病中に結婚した一色さんとおかもとさんは、厳島神社での式の映像と写真の中でとても幸せそうで、素敵で。
つばきをとりまく全てが家族みたいだったんじゃないかって思った。
ファンの待機室に飾ってあった二人の写真で一色さんの薬指に輝く結婚指輪が愛おしかった。
訃報を読んだ時、悲しみに溢れましたが、一色さんとなおちゃんが結婚していたことにとても救われた気持ちになりました。
それまで一色さんはあの状態でどうしていたのかなって、誰かいてくれてるのかなって思っていて、けどなんとなくつばきのメンバーや仲間が家族みたいにいてくれてるんだろうなとも思っていて。
だからそうだよね、よかった、二人が結ばれていて嬉しいと思った。
「雨の夜も寒い朝も」ってファンにも向けていたと思うけど、それ以上におかもとさんに向けて歌っていたのかなあって。なんて優しい歌なんだろうなあ。

本当につばきとその仲間たちには感謝してもしきれないです。小川さんには小さいお子さんもいて、おかもとさんもすごく大変だったと思う。
それなのに「最後の二週間色んな人に会わせてくれて濃密な時間を過ごせたのは夫からの最後の贈り物でした」と話していたおかもとさんの言葉に絆の強さを感じました。

お別れの会、誰もが「またね」と言っていて、それは一色さんがいつも言っていた言葉だった。
次があるかわからないライブの度に、なにかにコメントを寄せる度に、そう言ってくれていた。
希望をいつだって残してくれていた。

ムービーで、一色さんが話している声を聞かせてもらえた。
「諦めるなよ」って「俺は歌うことを諦めない」って。
なんてかっこいいんだろうなあ。
誰もが、ニヤッと笑って弱音を吐かなくてこっちの心配ばかりしてくれた、と口にしていて、みんなの中の一色さんの人物像が一致しているのがすごいなって。
歌詞にあるように「僕のまま」でいるという強さを感じました。

訃報を知ってから、一番に冬の話の「もしも僕が死んだら 笑って忘れてくれよ」が思い浮かんで、そんなこと無理だよって、一生覚えているよって、でも思い返して嬉しかったこととか言ってた冗談とかは笑えるのかなって。
だって「できるなら笑って」って歌っているのだもの。
「笑った君の顔しか思い出せないのは 優しくて強い人だったから」

どんどんどんどん言葉が溢れてきてしまってきりがないです。

「今日のことが夢だったらいいのにって何度も思ったよ でもそうじゃない」。
忘れたくなくて、気持ち消えて欲しくなくて、たくさん反芻しているけど、「この思いも氷のようにいつかは溶けてなくなってしまうの」かなあ。
そんなのは嫌だから、思い返すよ。書き記すよ。

訃報を知らされた9日の夜、突然「五月の雨が降り出した」。
そしてお別れの会の前に一瞬の雨。
出棺の頃「見上げりゃ 月が輝く夜」だった。
どの景色にも、気持ちにも、一色さんの歌詞が溢れて仕方ないんだ。

これからもつばきの音楽とともに私の人生はあるよ。
これまでありがとうございます。これからもお世話になります。
直接はあまりお話しできなかったからいつか会う日まで大事にします。

それじゃあまたね。

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