MTGのBO5について考える

前書き
ヴィンテージ神防衛戦はBO5で行われる。BO5では、2回のメイン戦の後最大3回のサイド戦を行い、先に3回勝った方が勝者となるルールである。
そこで、BO5はメイン戦が2回あるから、BO3よりもメイン戦が大切だ。だからメイン勝率の高いドレッジなどが良いかもしれない。というアドバイスを友人から貰った。

感覚的にはBO3よりメイン戦が大事なのはわかるが、どれくらいBO3と異なるか感覚だけではよくわからない。
そこで、メイン勝率及びサイド勝率がマッチ勝率にどのように影響するのかを数学的に考察してみる。

数式化
X:メイン勝率 X':メイン負率 Y:サイド勝率 Y':サイド負率 Z:マッチ勝率として、マッチ勝率を数式化する。
マッチ勝率をX(メイン勝率)及びY(サイド勝率)で偏微分することで、メイン勝率及びサイド勝率の影響度を求めることができる。

BO3
Z=X*(1-Y'^2) + X'*Y^2
Wolfram先生に偏微分してもらう。

BO5
Z=X^2*(1-Y'^3)+X'^2*Y^3+2XX'(Y^3+3Y^2*Y')
(X:メイン勝率 X'メイン負率 Y:サイド勝率 Y'サイド負率)

Wolfram先生に偏微分してもらう。

考察
X=Y=0.5の状況下での偏微分値をメイン勝率影響度、サイド勝率影響度と考えて比較検討する。(それらの偏微分値は、メイン勝率及びサイド勝率が両方50%の状況から、それぞれの値がX%変化するとマッチ勝率がどれくらい変化するかを表す。)


勝率影響度

よって、勝率50%程度の状況下においてはBO3ではサイド勝率はメイン勝率の2倍重要だが、BO5ではサイド勝率はメイン勝率の1.5倍重要であることが示された。

結論
BO5はBO3と比較してメイン勝率の重要度が高いが、依然としてサイド勝率の方がメイン勝率よりも1.5倍も重要であるため、メインさえ勝てればサイド後負けても構わないといった前提で極端な選択をする必要性は低い。

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