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ブレンドテスト方式

どうもどうも、多田です。ぼちぼちと研修医生活を過ごしています。

今回はこういうのって憧れるよねってのを見つけたので紹介させていただきます。
                                  「武漢はどのようにして1日150万人のPCR検査を行ったのか」(外部リンクに飛びます)

武漢において新型コロナウイルスの第二波を懸念して「10日間で武漢市全員のPCR検査を実施する」というものの方法を紹介した記事です。
そしてこれが最大10人分の検体をまとめてPCRをするというものなんです。正直に言うと何言っとんじゃって感じですよね。僕の足りない頭では「あー、PCR検査って行程めんどくさいもんねー、10人分まとめてやると楽だよねぇ」ぐらいの軽薄な感想しか出てきませんでした。

けれどもこれ良く調べてみると有名な知的推論の解法とやっていること似てるんですよね。
13枚の金貨」、「毒入りワイン」のように検索していただければそのような問題が出てくると思います。
前者だけ簡単に説明すると13枚の金貨に一つだけ軽い偽物が含まれていて、少ない試行回数でそれを見つけろというものです。解法としては4、4、5のグループに分け比較していくのですが……詳しくは調べてみてください。

感度特異度の話も前提に入れてしまうとややこしくなりますが、武漢660万人という膨大な人口に対する膨大な検査数をどう処理していくかという問題を数学的な問題に落とし込めるというわけなんですね。

それを認識したとき僕は感動しました。科学や数学などの理系科目を実世界に適応する瞬間を目の当たりにしたからです。
普段気にしないで使っている機器の仕組みを理解した興奮みたいなもんです。
それかもしかしたら好意を寄せている女の子や、親友の奥底にある本心を聞くことが出来たときの喜びに似ているかもしれません。とにかく思いました、「うおぉーってね」。

知識として広く共有されている理論。それを実世界に適応する勇気、気概。中国の専門家がそうするべきだという助言をして、実際に政府が実行したという情景が目を閉じると僕の瞼の裏に浮かびました。
ワクワクしませんか、そういうやりとり。いや勝手に想像してるだけで行われているかは分からないんですけれどもね(笑)
僕はどちらかというと科学などの理系科目よりも人文学などの文系科目の方が好きなんですけれども、こういう理系のカッコよさを目の当たりにすると畏敬の念を感じずには居れません。

日本でもこんな大胆な作戦があったら良いなと妄想しているんですけれども、結果的に日本での死者数は低いそうでそんな必要はないのかもしれませんね。地味ですけれども僕たちはとりあえず手洗いだけは気を付けて頑張っていきましょう。

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