オリンピックのこと
パリオリンピックも終盤ですね。
テレビって普段ほとんど見ないのですが、最近は毎日オリンピックを見ています。
競技が並列で中継されるため、続けざまに夜遅くまで観戦してしまいます。欲を言えば、日本人が出ていない試合ももっと放送してくれればいいのですが。
今回特に楽しんだのが、スポーツクライミングでした。
トップホールドを目指して選手が各々の方法で登攀する毎に、私は「おおう」「へえ」などと、頓狂な声を出しながら観戦していました。
わずかなホールドに手足を掛けて体位を安定させ、時に大胆に、時に繊細に壁を登っていく様に、すっかり魅了されてしまいました。
選手がオーバーハングに片手でぶら下がって、反対の手をシェイクしているのを見たりすると、「どこで休んでいるんだよ…」と半ば呆れてしまいます。
中でも特に心を掴まれたのが、森秋彩選手の登りでした。それまで誰も完登できなかった壁を最初に登りきったボルダーの第3課題。誰よりも高いところまで進み、トップホールドに指を掛けかけたリードの登り。会場からも惜しみない声援が送られていたように思います。リードで96.1点という高得点を叩き出しながら、悔しそうにトップホールドの辺りを眺める森選手の瞳に、ただ心を打たれました。
彼女は決勝前のインタビューで「他の人をプッシュできるような登りができたら」と語っていました。まさにその言葉を体現する登りだったと思います。
ニュースはメダルの数を勘定したり、色んなことを糾弾するのに忙しいようですが、もう少し別の視点もあっていい気がします。
ともあれ、楽しませていただいた選手の皆さんに感謝いたします。