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*花言葉は恐い!


花の仕事をしておりますと、実際、花言葉が原因でトラブルもあります。それは‘黄色のバラ‘です。花言葉で一番有名なのは赤のバラの「愛」と黄色のバラの「嫉妬」です。この花言葉がどういう経路で出来て、どう広まったかについては知る由もないのですが、社会的認知度が高いので、要注意と言いますか、触らぬ神にたたりなし、と言いますか、君子危うきに近寄らずと言いますか、その程度のご注意です。

特に注意が必要なのは、赤のバラの場合は、男性が女性に贈る場合・黄色のバラの場合は、女性が男性に贈る場合です。赤のバラを贈って誤解される場合のシチュエーションでは、バラならば、男性からはオレンジやピンクや黄色がお薦めです。黄色は赤ほどみんなが知っている花言葉ではないですので、男性から女性への場合でもあまり気にすることはないように思います。

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ある日、黄色のバラでこんなことがありました。

ある会社の社長であるAさんの奥様のお誕生日に、Aさんの女性の知人のBさんが黄色のバラを贈られたのです。

以前から家族ぐるみで付き合っていると勝手に思い込んでいたBさんは、Aさんの奥様とも気軽な交際関係でいられると思っていたようですが、実はそうではなく、A社長の奥様はA社長とBさんの関係をいぶかしんでいたのでした。


 Bさんにとって不運にも、Aさんの奥様は、黄色のバラの花言葉の意味を知る文化の高い女性だったのです。残念ながらモメテしまいました。A社長の奥様は、「もうBさんとその家族を家に連れてくるな!Bさんの会社とは取引するな!」と言われたそうです。

想像なのですが、Aさんの奥様は花言葉を口実に、AさんとBさんの関係を快く思っていなかったようで、大事に至る前にクサビを打ち込んだのでした。これは良い機会だと便乗してしまったということが事の顛末のようでした。


 便乗と言えば、思い出した話があります。崖から転げ落ちたガメツイ役人が、崖から這い上がって来た時に、キノコをつかんで這い上がってきたという昔話がありますが、まあ、そう言うノリですね。

A社長の奥様は知能犯といいますか、確信犯です。おばさんは人生経験豊富で、時として、ナポレオン以上の戦略家であったりします。そして、残念なことに、その黄色のバラは、ごみ箱に直行したのでした。こんなことなら、ごみ箱に花を生けて届けたほうがよかったのかも知れません。

そう言えば,実話なのですのですが、有名俳優のスティーブマックインとアリー・マックグロー(ある愛の詩の主演女優https://www.youtube.com/watch?v=l1DoQhO6gt8)の古い話を思い出してしまいました。

スティーブマックインがアリー・マックグローのことを気に入って好きになり、毎日花を贈り続けたそうです。しかし、毎回その花がゴミ箱に直行していると聞き、次回はゴミ箱に生けた花を花屋に持って行かせたそうです。しかし、その後、彼らは結婚しています。きっと花が何だかの役に立ったということは、間違いなさそうです。

智に働けば角が立つ。情に棹を指せば流される。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくい。(夏目漱石)

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