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*プリザーブドフラワーにもの申す!

最近、デパートや大手のお花屋さんで、プリザーブドフラワーが売られています。消費者の需要もあるようで、私の想定をはるかに超えた高い価格で販売されています。

プリザーブドフラワーは、生花の色素と水分を抜き取り、着色液に浸して加工した、生花から作った花?と言いますか、私に言わせれば、「生花もどき」です。なぜなら、生花は水分と色素が命だからです。

プリザーブドフラワーは、アートフラワーやドライフラワーとは本質を異にしています。アートフラワーやドライフラワーはそれなりの善さを認めることの出来る本物です。アートフラワーは飯田深雪先生(勲五等宝冠章受章)により、芸術の域に達しました。ドライフラワーは季節の限られた花を一年中見られるという生花と違う魅力もあり、オランダでは、生花のアレンジメントの中にも生花の仲間として頻繁にアレンジされています。

しかし、プリザーブドフラワーは「生花もどき」のニセモノです。生花の楽しみ方というのは、ツボミが徐々に開花し、満開となり、枯れていくというプロセスを楽しむもの、つまり、花の一生を体験するものと考えます。

プリザーブドフラワーの販売者は「枯れなくて持ちがよい」と強調しますが、生花は枯れていく(変化していく)プロセスを楽しんでこその生花だと、私は思います。私に言わせれば、プリザーブドフラワーは、「花ではなく単なる物体にすぎません」。


花の一生というのは、小説や映画のように、人生の疑似体験ですから、変化のないプリザーブドフラワーは「花」とは呼べない訳です。売れるから売るのでは、花に携わる者として、失格なのではないでしょうか?消費者に「本来の花」を分かっていただくことは、その使命だと思います。

花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき(林芙美子)


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