【要約】日本はスタートアップの力の源泉になり得るか

Mckinsey & Companyより
日本はかつてイノベーションの国として知られていたが、ここ数年飛躍的な成長をもたらしたスタートアップをあまり輩出していない。近年では規制の緩和やインキュベイトファンドのような海外投資家の流入を増やすことで、この状況を打開しようとしている。

インキュベイトファンド

  • 元マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナーで現在はインキュベイト・ファンドに勤務しているポール・マキナニー氏はこの「シード投資家」と呼ばれるファンドの一員として、国内スタートアップ企業にのみ投資を行っている

  • これまで6社のIPOを支援し、今後もさらに多くの企業を支援する予定とのこと(運用資産額8億4000万ドル)

  • 彼は日々起業家と会って多くのビジネスアイデアを収集する。投資検討の際は、毎週数分のペースで投資先の創業者とともに働くこともあるという

成長するスタートアップ環境

  • 2020年の日本のスタートアップ企業への投資額は45億ドル弱、米国は1640億ドル

  • 日本への投資額は2010年から7倍に増え、最近ではゴールドマンサックスなどの大手ファンドが日本のスタートアップに投資していることも多い

  • 多くのプロフェッショナルファーム出身者が日本のベンチャー企業に転職している

日本のスタートアップが直面する限界

  • 日本企業は、世界経済を相手にするよりも、リスクを減らすために、最初は日本に特化したマーケティングを行う傾向がある

  • 日本ではスタートアップに必要なデジタル人材が不足している(米国の労働人口:3%、日本の労働人口:1%)

  • データ分析や統計の専門家も日本では珍しく、ほとんどがベンチャー企業ではなく、大手企業に勤めている

インキュベイトファンドを始めとしたファンドは海外での活躍を目指すスタートアップの背中を後押ししている。また、コロナ禍によって、日本のベンチャー企業は国境を超えてバイリンガル人材やデータサイエンス人材のアウトソーシングできるようになった。こうした動きもあり、日本では歴史的に少なかったスタートアップ企業の存在感が急速に高まっている。

元ソース:Can Japan finally become a start-up power?


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