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「読む笑い」 『巨人』⑤



(巨人④の続き)



A:まぁ疑いたくなる気持ちも分かる。
最初は俺もそうだった。
「本当にこんな試験で巨人になれるの?」
って思ってた

B:じゃあ、そう今も思っててくれ!


A:でも安心して欲しい!
この検定は国が正式に認めてくれる資格なんだぞ。


B:だから、公に認められてるとかどうでもいいんだよ!


A:いや、どうでも良くないわ!
公的な証明がなければ、
いくらおれが「3mの巨人です」って言ったところで、3mの巨人とは信じないだろ?


B:今お前はそうなんだよ!


A:だから!だからなのよ!
お前みたいなやつがいるから
ちゃんとした証明が要るのよ!


B:いや、だから…


A:おれが総理大臣からよ?国のトップから。
国のトップにちゃんと証明された
巨人の証明書を持てば、
「ぼくは巨人です」と
お前は信じざるを得ないだろ



B:あのなぁ、もうね、何度も言ってるけどさ。
お前が正式に巨人として認められてるとか
そこじゃないのよ、


A:じゃあなんだよ


B:そうじゃなくて。
見た目、物理的によ?
大きくなってないじゃんって言ってるのよ


A:いやいや、言ったよな?
「巨人検定3m部門の資格取りました」って。
それで物理的にも巨人になるだろ


B:ならねぇよ!
目の前でおれと身長変わんなくて、
「身長3mです。」って言われて誰が信じるんだよ!


A:お前、疑い深すぎるだろ!
みんなに資格証見せて
そう言ったらさすがに認めるぞ?


B:認めないわ!



(巨人⑥に続く)

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