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「読む笑い」 『巨人』①



20代男性のAとその友人Bの会話


A:おつかれ


B:おつかれ。
どした?なんか嬉しそうにして


A:いやね。
実はさ、最近うれしいことがあったのよね


B:そうなんだ。
なにがあったのよ?


A:いやね、巨人の試験に受かったのよ


B:巨人?


A:そう


B:巨人って、ジャイアンツのこと?


A:いやいや、がちの巨人よ


B:がちの巨人?


A:そう。
巨人の試験に受かったから、
一昨日くらいからな、
もうおれは巨人なのよ!


B:ちょちょ、ごめんごめん、
勝手に話進めないで。
全然、なにを言ってるか分からないから

A:まぁ簡単に言うと、
あのめちゃくちゃ大きな人っているだろ?


B:あ、あの?
進撃の巨人とかそういう巨人?


A:あ〜そうそう。
イメージとしてはそんな感じ


B:はぁ。それで?
巨人がなにって?


A:その巨人になれる巨人検定ってのがあって、
この間受かったのよ。


B:巨人になれる試験…


A:だから、おれは巨人な訳。

B:その試験に受かったから?

A:そう!
初めてだったから3mの巨人なんだけど


B:待て待て!
え、どういうこと?


A:え?そのまんまじゃん?
世界遺産検定とかそういうのあるだろ?

B:うん、あるね

A:それみたいな感じで
巨人検定っていうのがあるのよ

B:うん


A:それは巨人の資格を得られるわけよね

B:うん…巨人の資格…


A:その3mの部門で合格したので、
俺は3mの巨人になりました。
これで分かったかな?
 

B:いや、ごめん、たぶん
どれだけ丁寧に説明されてもよく分からない


A:なんで!?
逆にどこに引っかかってるわけ?


B:いやいや、え?
身長変わってないよね…


(巨人②に続く)

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