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「読む笑い」 『双子』⑤


(双子④の続き)

A:でも血が繋がってないとか
全然気付かなかったな〜。

B:ちょっと鈍いな。

A:そうか?

B:だってそもそも、歳離れすぎだろ

A:たしかにな。
「あんた、うちの子じゃないからね」って
言われてたけど

B:うわ、結構、言うな

A:なんか俺が母親に甘やかされてたから
嫉妬してるんだと思ってたわ

B:ぼーっとしてんな

A:でもさ、血が繋がってないとか疑わなくない?

B:そこまで言われたら疑うだろ

A:そうなのかな〜


B:てか血繋がってないにしても、
なんで双子ってわかったの?


A:そう!それがさ、この間ばったり会ったわけ

B:だれに?


A:もうひとりに

B:まじで?!
見た瞬間わかったの?

A:分かるもなにも!
全くおれと同じ顔の奴が向こうから歩いてくるんだから!

B:えー!


A:お前、自分と全く同じ顔の人に会ったことある?


B:ないよ!
たぶんお前らだけだよそんなことあるの!

A:まぁ〜、何度もそのおれと同じ顔見るよ。
「え、嘘だろ!?え、え!?」って感じ

B:そうなるよな

A:それが向こうも同じ反応なんだから
2人で、「え、え、え!?」って。
客観的に見たら滑稽よ

B:ある意味仕方ないよ。

A:それを周りで通った人も
「え、え、え!?」って
みんなで俺らを何度も見返すわけよ

B:そうなるだろうな。
おれもお前といてお前と全く同じ顔の奴いたら
「どゆこと?」ってなるよ


A:それでさ二人とも思ったのよね、
ドッペルゲンガーだ!って。


B:まぁ、うん、確かに…

(双子⑥に続く)


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