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労働基準法のあらまし(女性関係)

(1) 男女同一賃金の原則(第4条関係)

 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはなりません。

(2) 産前産後休業その他の母性保護措置

(第64条の3、第65条、第66条、第67条関係)
① 使用者は、6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性が請求した場合においては、その者を就業させてはなりません。
② 使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはなりません。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは差し支えありません。
③ 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければなりません。
④ 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、変形労働時間制により労働させる場合であっても、その者を、1週又は1日の労働時間が法定時間を超えることとなる時間について労働させてはなりません。また、使用者は、妊産婦が請求した場合においては、時間外労働、休日労働又は深夜業をさせてはなりません。
⑤ 使用者は、生後満1年に達しない生児を育てる女性が一定の育児時間を請求した場合には、その時間中にその者を使用してはなりません。
⑥ 使用者は、妊産婦を、妊娠、出産、哺育等に有害な一定の業務に、また、妊産婦以外の女性を、妊娠、出産に係る機能に有害な一定の業務に、それぞれ就かせてはなりません。
(産前産後休業の期間)
 産前休業期間は、女性労働者本人が請求した場合に就業させてはならない期間であり、産後休業期間は、原則としてその女性労働者を就業させてはならない期間です。
(妊産婦に対する変形労働時間制の適用制限並びに時間外労働、休日労働及び深夜業の制限)
 妊産婦が請求した場合には、以下の労働をさせてはなりません。①1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制を適用している場合で1週間又は1日の労働時間が法定労働時間を超える時間、②時間外労働、③休日労働、④深夜業。

(育児時間)
 生後満1年に達しない子を育てる女性が請求することができる育児時間は、1日2回各々少なくとも30分です。

(危険有害業務の就業制限)
 女性労働者に対する危険有害業務への就業制限として、母性保護の見地から、妊産婦については、その妊娠、出産、哺育等に有害な業務への就業が制限され、これらの業務のうち女性の妊娠、出産機能に有害な業務については、妊産婦以外の女性についても就業が禁止されています。

(3) 坑内労働の就業制限・生理休暇(第64条の2、第68条)


① 使用者は、妊婦及び産婦(申し出た者に限る。)が行う業務並びに厚生労働省令で定める業務については、女性を坑内で労働させてはなりません。
② 使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合には、その者を生理日に就業させてはなりません。
(厚生労働省令で定める坑内労働の就業を制限される業務)
1 人力により行われる土石、岩石若しくは鉱物(以下「鉱物等」という。)の掘削又は掘採の業務 
2 動力により行われる鉱物等の掘削又は掘採の業務(遠隔操作により行うものを除く。)
3 発破による鉱物等の掘削又は掘採の業務
4 ずり、資材等の運搬若しくは覆工のコンクリートの打設等鉱物等の掘削又は掘採の業務に付随して行われる業務(鉱物等の掘削又は掘採に係る計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理、保安管理その他の技術上の管理の業務並びに鉱物等の掘削又は掘採の業務に従事する者及び鉱物等の掘削又は掘採の業務に付随して行われる業務に従事する者の技術上の指導監督の業務を除く。)

女性の就業が禁止または制限されている業務にはどのようなものがありますか?

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