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事務所における衛生基準はどのように決められていますか?


第一章 総則
(適用)
第一条
 この省令は、事務所(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に掲げる建築物又はその一部で、事務作業(タイプライターその他の事務用機器を使用して行う作業を含む。)に従事する労働者が主として使用するものをいう。)について、適用する。
 事務所(これに附属する食堂及び炊事場を除く。)における衛生基準については、労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第三編の規定は、適用しない。


令和3年12月1日に行われた改正ではどのような点が改正されましたか?

照度について【事務所則第10条第1項関係】

事務所において労働者が常時就業する室における作業面の照度基準が、従来の3 区分から2 区分に変更されました。「一般的な事務作業」については300 ルクス以上、「付随的な事務作業」については150ルクス以上であることが求められます。

便所について【事務所則第17条の2関係、安衛則第628条の2関係】

新たに「独立個室型の便所」が法令で位置づけられました。

休養室・休養所について【事務所則第21条関係、安衛則第618条関係】

常時50 人以上又は常時女性30 人以上の労働者を使用する事業者は、休養室又は休養所を男性用と女性用に区別して設ける必要があります。これらは事業場において病弱者、生理日の女性等が一時的に使用するために設けられるもので、長時間の休養等が必要な場合は速やかに医療機関に搬送又は帰宅させることが基本であることから、随時利用できる機能が確保されていれば専用の設備である必要はありません。
また、休養室又は休養所では体調不良の労働者が横になって休むことが想定されており、利用者のプライバシーと安全が確保されるよう、設置場所の状況等に応じた配慮が求められます。

休憩の設備について【事務所則第19条関係、安衛則第613条関係】

事業場の実状やニーズに応じて、休憩スペースの広さや設備内容について衛生委員会等で調査審議、検討等を行い、その結果に基づいて設置するようにしましょう。

更衣室・シャワー設備について【事務所則第18条第2項関係、
安衛則第625条第1項関係】

性別を問わず安全に利用できるよう、プライバシーの確保に配慮してください。事務所則、安衛則に規定された「更衣設備」、「洗身の設備」ではなく、各事業場のニーズに応じて設ける更衣室やシャワー設備についても同様となります。

温度について【事務所則第5条第3項関係】

事務所において、事業者が空気調和設備を設置している場合の、労働者が常時就業する室の気温の努力目標値が変わりました。 施行:令和4 年4 月1 日18度以上28度以下

一酸化炭素・二酸化炭素の測定について【事務所則第8条関係】

検知管方式と同等以上の性能を有する測定器として、以下の方法を用いる測定器が含まれることを明示しました。
●一酸化炭素:定電位電解法
●二酸化炭素:非分散型赤外線吸収法(NDIR)

救急用具について【安衛則第633条、旧第634条関係】

備えるべき救急用具の内容は各事業場で検討しましょう
事業者に備えることが義務づけられている「負傷者の手当に必要な救急用具及び材料」について、備えなければならない具体的な品目が規定から削除されました。
各事業場において想定される労働災害等に応じて、安全管理者や衛生管理者、産業医等の意見を交えながら衛生管理委員会等で調査審議、検討等を行い、応急手当に必要なものを備えましょう。

発汗作業に関する措置について【安衛則第617条関係】

多量の発汗を伴う作業場においては、労働者に与えるための塩及び飲料水を備える必要があります。
この場合の「塩」は、塩飴や塩タブレット等のほか、スポーツドリンクなどの飲料水に含まれる塩分も該当することを明示しました。

二酸化炭素1000ppmを超えるとどのような症状が出ますか?

1000ppm程度の低濃度域における二酸化炭素濃度の上昇と生理学的変化(二酸化炭素分圧、心拍数等)及びシックビルディング症候群(SBS)関連症状との関係が見受けられ、生理学的変化は二酸化炭素によるものと考えられる。SBS症状については二酸化炭素によるものか、他の汚染物質との混合曝露によるものかはさらなる検証が必要(特に長期間曝露の影響)ではあるが、建物内の二酸化炭素の室内濃度を1000ppm以下の低濃度に抑えることで、これらの健康影響を防止できると考えられたこと、近年、1000ppm程度の低濃度の二酸化炭素そのものによる労働生産性(意思決定能力や問題解決能力)への影響が示唆されており、今後のさらなる検証が求められる。


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