防衛費27年度にGDP2%へ 首相指示

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO66365540Z21C22A1MM8000/

岸田首相は28日、防衛費を27年度に国内総生産(GDP)比2%二増額するよう、関係閣僚に指示した。科学技術費など国防に関係する費用を合算して、省庁横断型の防衛費と位置づける。

GDP比2%の基準を示した上で、年末に①23〜27年度の中期防衛力整備計画の規模②27年度に向けての歳出入両面での財源確保――を一体的に決定する。28日浜田防衛相と鈴木財務相に指示した。

日本の防衛費は76年の三木内閣以来、GDP比1%以内を目安に推移してきた。今回の方針転換では、防衛費の規模として公共インフラや科学技術研究、サーバー、海上保安庁などの防衛省外の予算も含めて考えられている。縦割り体制を脱却し、政府全体で安全保障を担う。

防衛費増額の柱は敵の軍事拠点などを叩く「反撃能力」の保有と「継続能力」の強化だ。米国製巡航ミサイル「トマホーク」の導入や、ミサイルの長射程化を行う。継続能力については弾薬購入量を増やすなどする。

財源については、有識者会議で「幅広い税目による国民負担が必要」とする提言がまとめられている。具体的には法人税や所得税、たばこ税などが意見に挙がっている。

台湾有事や北朝鮮を念頭に置いた防衛力強化、それに係る防衛費増額はもはや必至だ。また防衛省予算だけでなく、研究費など総合的に防衛費に組み込むのも、攻撃手段が多様化する現代において有効だろう。財源含め、日本全体で防衛について考えるいい機会なのではないだろうか。

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