【今日のニュース11/1】10月の円買い介入6.3兆円 年間で9兆円

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65621010R31C22A0EA2000/

財務省が31日発表した9月29日〜10月27日の為替介入実績は6兆3499億円で、単月の円買い介入額として過去最高となった。また9月22日分を含めた介入額は9兆1881億円で、データの残る91年~98年の合計介入額を大幅に超えた。

一連の介入のうち、財務省が直後に実施を表明したのは9月22日のみで、それ以外は「覆面介入」となっている。一日単位の介入実績は、23年の2月上旬に10~12月分が公表される予定。

唯一公表されている22日の介入の際には、146円間近から140円台前半まで5円以上円高方向に振れた。しかしながらその後円高方向に市場が傾くことはなく、152円間近まで上昇。11月1日現在147円台となっている。

根本の円安要因は日米の金利差だ。それに原材料高やそれによる貿易赤字が、実需要因として拍車をかけている。28日の会見でも黒田日銀総裁は金融緩和の方針を変えていなかった。一方アメリカのインフレは落ち着く兆しをみせているものの依然高い水準であり、金利差は当面続きそうだ。

最近は個人投資家の動向も注目されている。海外投資のために円をドルに換える需要が拡大していることや、FXの取引高も増加している。9月のの円ドル取引は初めて1000兆円を超えた。こうした個人の円売り取引がかさんでいることも、円安への加速要因となっている。

「靴磨きの少年」の話のように個人、それも素人が市場に参入した来たタイミングが、資金の引き上げ時という。現状のドル円相場も個人の取引が増えてきており、その点でおおきな円高リスクを抱えているといえる。今週はFOMCがあり、0.75%の利上げはほぼ確実視されているものの、その後のパウエル発言によって一気に円高へ振れることもあるだろう。引き続き円安材料が残り続けている中で、そろそろ円高リスクも顕在化しつつあるのが、現状のドル円相場といえそうだ。

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