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8年間美容室を共同経営して感じたメリットとデメリット

この記事は、これから美容師として独立し、共同経営を考えている方に向けて書いています。
少しでも参考になれば嬉しいです。


まずはざっと経歴から、、
2014年、東京都新宿区にて当時27歳のときに共同で法人設立し代表取締役を務める事になりました。
メイン事業はヘアサロンの運営です。

当時のヘアサロンの規模は21坪(約70㎡)、セット面6席、シャンプー台3台、在籍美容師8名(自分含む)
という感じでした。
平均すると常時5名の美容師さんが働いているイメージです。
その他WEBサイト制作、自社商品開発、フォトスタジオ運営などいろいろやりました。

その他の事業もあったおかげでサロン事業+αで収益がありました。

そして2022年5月に代表取締役を辞任し
全ての株式を売却後、新たに法人を設立し今に至ります。


というわけで、早速本題に入ります!

【結論】

結論から言ってしまうと

美容室を小規模運営する場合、共同経営はデメリットの方が大きいと感じました。

小規模運営の基準
【2店舗以下、常時使用する従業員が5名以下】であること。

共同経営の基準
株式会社であれば、
共同経営者が【同様の株数を保有】していること。
合同会社であれば、
共同経営者が【同額の出資金である】こと。

まずは1店舗で1〜6席、従業員5名以下で共同経営したいと考えている場合は是非参考までに読んでみてください。

【共同経営のメリットとデメリット】

メリット
・自分1人で背負うというプレッシャーが分散される
・共同経営者の意見を聞き、決断できる安心感
・組織の安定感

デメリット
・即決即断ができない
・熱量の違いがある
・共同経営者が辞めた際の株式売却による負担
・会社の出口戦略

細かく分類するともっと沢山あると思いますが
主に上記の点が重要だと感じます。


デメリットについて

・即決の判断
共同経営である以上、大きな何かを決断する際に協議する時間を作る必要があります。

小規模美容室の場合スピード感は大切です。
即決の判断を幾度となく重ねる事で精度も増し、トライ&エラーをスピーディに繰り返し事業の成長を促すことが代表の役割として非常に重要です。
協議して決断するまでの時間よりも、1人でなるべく早く決断する時間のほうが小規模会社経営においては有益だと考えます。

・熱量の違い
熱量に関しては人間なので違っていて当然であり仕方のないことです。
ただし、会社経営において熱量は非常に重要です。
【熱量=仕事の質、量】に繋がります。
トップの熱量は社風を作り、従業員にも伝わります。
熱量の違いは仕方のない事だから、と言って
共同経営者同士で足りない所は助け合っていこう、などという甘えが許されないのが会社経営です。
数年はうまく運営できたとしても、どこかに必ず歪みが生まれます。
したがって大きなデメリットとなる可能性が高いと感じました。

・共同経営者が辞めた際の株式売却
これは私が辞めた際にも会社に金銭的な負担を与えたと思います。
経営から退く場合は株式も売却しなければなりません。小規模運営の美容室会社の株式とは言え、数年間経営しそれなりの業績であれば、純資産額によっては1株あたり数百万〜数千万という事が当たり前のようにあります。

この場合、個人もしくは会社が買い取る形となりますから、金銭的な痛手となり得ます。

これも、大きなデメリットと言えるでしょう。

・会社の出口戦略
会社の出口とは、廃業、事業譲渡などです。
出口戦略については、数年後なのか数十年後なのかわからないので、あらかじめ共同経営者同士で話しあっておく必要があります。


納得する形で決まれば良いと思いますが、廃業の場合、最終的に残った財産は株主に帰属しますから、共同経営者で均等割となります。

事業譲渡(承継)も株式の売却ですので同じ事が言えます。


また、役員退職金という制度を利用して退職する制度もあります。

この場合、次の後継者に引き継いでもらう事を前提としていますので、共同経営者が何名もいる場合は、会社に負担の無い金額で役員分の退職金を用意して均等割となりますので、退職金額に大きく影響します。




メリットについて

・自分1人で背負うというプレッシャーが分散される
特に20代で初めて美容室を開業する場合1人で全ての責任を負うのは怖いです。
その為、仲の良い信頼のおける仲間と共同で開業するのは心強く、それだけで大きなメリットと言えます。
そして、どんな美容室にするか意見を交わし合い、ワクワクした気持ちで仲間と作り上げていく楽しみもあります。

・共同経営者の意見を聞き、決断できる安心感
自分1人で判断するよりも、共同経営者としっかり話し合い納得する形で決断できた方が安心ですし、失敗時の責任分散もできます。

1人で決断できない、自信がない場合にはとても心強い存在となるでしょう。

・組織の安定感
同じ美容室内に共同経営者が2人〜3人いた場合
組織としての安定感はあるように感じます。
一枚岩のような信頼関係の元、経営できているのであれば従業員から見ても心強いのではないでしょうか。

【まとめ】

共同経営のメリットとデメリットは、人によって感じ方は違います。
自分がどういうタイプの人間なのかをしっかり分析して、今後の経営に活かしていただければ幸いです。

最後に。
私が様々な経営者を見てきた中で強く思うことは
【長く運営し成長し続ける会社には強烈なリーダーシップのとれる代表がいる】
ことです。

いつの時代も根本は変わっていないはずです。

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