『STAYGOLD それから。1』
『STAYGOLD それから。』秀良子先生
この1巻で一番印象的だったのはカバー下です。パンダの方じゃないですよ〜、表カバー下の方です。
秀良子先生が当初描きたかったのは失恋の話だったということ。
流石に失恋のお話では連載できないから、群像劇のひとつとして挟んだと。
誰もがあの4巻に心を鷲掴みにされた事に納得です。先生が描きたかった物語だったのですから。
そうして描かれた作品は駿人の成長を軸にした家族の物語として完成し、結果的にとんでもない傑作になりました。
STAYGOLDとは駿人の輝きを指すと思っていたのですが、4巻の失恋も青春の輝きでした。
「何も知らずに100年生きるより・・・よかった」で終わった失恋の痛みは、数年過ぎて日高の口から「俺の人生の輝き」という言葉で表されます。
カバー下のイラストには、そのセリフが先生の言葉として書かれています。
『失恋はいいぞ、消えない傷こそが人生の光』と。
消えない傷こそ人生の光
この思いが秀良子作品の根っこにあるから、ダメな奴や人生の挫折や失敗に「ほんとにもうしょうがないなぁ」って言いながらも愛を感じるのだと思います。
さて、『それから。』です。
4巻の日高の海辺の独白
体温と一緒に
伝わる汗と
伏せたまつげの
長さと
夜を静かに刻む
寝息のリズムと
枕に残るシャンプーと
生活の匂いと
髪と手と唇と
そのすべてを・・・
そして最後のコウのひとこと
・・・うん、寂しい
最っ高の終わり方です。
私たちにその後を妄想させてくれているし。
何度も言いますが、本当はあれで終わってほしかったのが本音。
でも、その妄想の答え合わせを秀良子先生にして欲しかったのも本音です。
複雑なファン心理、ファンである担当さんの“私情”で実現した『それから。』をもう見届けるしかありません。
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