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ウクライナ平和の鐘 072 悪に同ぜず生きる

https://youtu.be/13RQbKfc0ZQ

■2022(令和4)年6月2日 072 悪に同ぜず生きる
(動画の3:08~7:23)

本日の「平和の鐘 鳴鐘の輪」。怨みを抱く人々の中にあって、怨みを抱かず楽しく生きよと、お釈迦様はおっしゃいました。人々の心を挫くために民間施設を攻撃するロシア軍。心を挫けさせないことが、一番の対抗策です。

合掌

 今日は ダンマパダ(法句経)の一節を拝読いたします

真理のことば 第一五章 楽しみ
一九七 怨みをいだいている人々のあいだにあって怨むこと無く、われらは大いに楽しく生きよう。怨みをもっている人々のあいだにあって怨むこと無く、われらは暮していこう。
一九八 悩める人々のあいだにあって、悩み無く 大いに楽しく生きよう。悩める人々のあいだにあって、悩み無く暮そう。
一九九 貪っている人々のあいだにあって、患い無く、大いに楽しく生きよう。貪っている人々のあいだにあって、貪らないで暮そう。

(岩波文庫『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村元訳)

 とても含蓄のあるお言葉です。

 これは決して、世の中の苦しむ人々から目を背けて自分だけ楽しく生きようという意味でないことは、みなさまお分かりだと思います。このお釈迦様のお言葉の眼目は、ここに並んだ要素が苦しみをもたらす悪業である点にあります。

 誰かを恨んだり、悩んだり、貪ったりそういう心は簡単に他の人に伝染するのです。誰かが自分を恨んだら、相手を恨み返す。誰かが他人の悪口をいうのを聞いて「そうなのか」と自分の心まで引きずられてしまう。人間は得てしてそのようなものですそのような「悪業」に引きずられることなく、私たち自身は心を正して生きよう──それがお釈迦様のお言葉です。

 ロシアのウクライナ侵攻では、民間の住宅・学校・病院が躊躇なく攻撃されて、大勢の民間の人々が亡くなっています。なぜロシアがそのようなことをするのか、ロシア自身は説明していません。分析に依れば、民間人の心を挫いて降伏させようとしていることがひとつ。もうひとつは、土地からウクライナの人々を追い出し、後に入植してロシア化を既成事実化するためだと分析されています。

 そのような残酷な攻撃の中で、ウクライナの人たちは非常に大きな苦しみを経験しています。ロシアの企みに負けないためには、心を整えて生きていくこと、ロシアの攻撃の意図に屈しないこと、それが一番の対抗策なのだと思います。

 それはウクライナを見守る私たち諸外国の人も同じです。いつの日か、そのような意識を持たずとも、当たり前に自然に生きていれば幸せでいられる──そんなウクライナが取り戻せると信じて、誰もが今為すべきことを為して生きてまいりましょう。

再拝

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