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Burn out

私は競技者に向いていない、そう思います。

競技麻雀の世界の片隅に27年くらい身を置いているけれど、若い頃から対局の後に「燃え尽きる」ことが何度もあって、数日に渡って体調が悪くなることがあります。

戦うものたちには、リーグ戦やタイトル戦といった戦う場が否応無しにやってきますよね。
それらは体調や気分など関係なしにやってきますから、体調やスケジュールの管理はとても大事なこと。
だけど、僕は昔から「ペース配分」の出来ない人間で、その点だけをとっても競技者にはまるで向いていないのです。

若い頃は今よりももっと酷くて、札幌で行われていたタイトル戦に出た翌日には熱を出していました。
いつも、というわけではないのですが、タイトル戦が月の中あたりにあると高確率で熱を出すんです。
職場の医務室で検温するとしっかり38度を超える数字が出るので、その度に家族や同僚からは心配されたものですが、その原因がなぜなのか、自分でもよくわかっていなかったのが正直なところ。
最近はその頻度も減ったけれど、秋の最強位決定戦の翌日は必ず倒れ込むし、リーグ戦や対局の後は疲れの波みたいなものが襲ってきて動けなくなってしまうので、いつも会場からはいち早く去り地下鉄に駆け込むことにしています。

古くから私のことを知っている人からは、対局前後の私があまりに愛想がないので感じが悪いと言われることがあります。
愛想は良いに越したことはないけれど、対局には遊びで来ているわけではないので、どちらが良いということではなく心の置き所に違いがあるんだろうなと思って意に介さないことにしていたのです。
が、近年においてそう観られてしまうのは、年々体調に余裕がなくなってきている証拠なのかなと思います。
それに、もう「いい歳」なので、人に好かれる努力をしなくてはとも思いますしね。

昔からしばしばやってくる体調不良の波。
この原因がなんなのか、いろんなお医者さんに話を聞いたり本を読んだりしてみたんだけれど、どれもしっくりくるものはなかったのです。
ただその中で、もしかしたら…という説が一つだけありました。
もうなんの本で見かけた話だったか覚えていないのですが…。

海の「波」は風によって起こされるもの。
だけど、潮の満ち引きは「月」が関係しているとされています。

こちらにあるとおり、潮の満ち引きが最も大きくなる満月や新月の頃は、月の引力の作用がとても強くなるとのこと。

それと体調の何が関係あるの?

私にも正直なところよくわかりません。
ですが、よく考えてみたらこれって当たり前のことなのかもしれないなという考えに至りました。

地球の海水の量は約14億k㎥あると言われています。
リットル表記に直すと14「垓」リットル
垓という単位は、一、十、百、千、万、億、兆、京の上ですから、途方もない量の水が地球には湛えられています。

その水が時々刻々と満ちたり引いたりしているわけで、作用している力はとんでもなく大きいはずです。

対して我々人間は、成人男性で6割が水で出来ていると言われています。
半分以上が水で出来ているのですから、途方もない水を揺らし続けている月の引力の影響を受けないはずがないのではないか?
と、私は思うのです。

そんな、目に見えないものを信じられないよ、という方もいるでしょう。
でも、地球ってすごい場所なんですよ。

地球が太陽の周りを回っていて(公転)、地球自身も回転を続けている(自転)ということは学校で習いましたよね。

地球は太陽の周りをおよそ3億kmの大きな円を描きながら11万km/hの速度で回っています。
そして、地球自身も日本の位置で1500km/hのスピードで回り続けています。
プロ野球の投手が投げる速球の約10倍のスピードで振り回されているのですが、絶妙なバランスで私たちは地に足をつけていられるのです。

それだけでも奇跡的なことなのに、さらに私たちは途方もない量の水を揺らし続けている月の影響も受けている。
そりゃ、体の調子もおかしくなるよね、と。

後で調べてわかったことですが、若い頃の体調不良は、月の中ほどに対局があった時に起きやすかったのですが、どうやらそれは「新月」の頃だったようで、妙に納得してしまいました。

それ以来、満月と新月がいつなのか月齢を調べておくようにしています。
特に月の作用が強い時期がいつで、対局の日がいつで、それがぶつかるのかぶつからないのか。
両方の日がぶつかる日の前後にはあまり予定を入れないようにして、余力を残すようにしていています。

それでも、気が入って楽しめたゲームの後はやっぱり燃え尽きてしまいますが…。
単に寄る年波には勝てないのでしょうね。
もう、あまり抵抗せずにゆらゆらと流されて生きていきたいと思います。

信じるか信じないかはあなた次第、ということで。

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