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ふるさとのやま

〈上士別〉

今は人家もまばらなこの山の麓にも、かつては集落が有り、笑いや涙する日々の営みがあった。

半世紀前にこの地を離れた人が、思い出の地が懐かしいと遠方から車で訪れた。隣近所はとうに無く、草茂る中に かつての我家の基礎の石だけが残されていて切なかったと。

人々の想いを知ってか知らずか、山の木々も草木の緑も、柔らかな光を反射しながら今日も静かに佇んでいる。
           

さくら

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