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放射線技師の読影補助業務と、常々思うこと。


数年前に勤めていた病院では、職員健診がキッカケで放射線技師の読影補助業務が始まりました。
私たちの仕事は、レントゲンやCT、MRIなどを撮影することですが
ただ闇雲に撮影するのは仕事ではなく
いわゆる【スイッチマン】と呼ばれる由縁かもしれないです。
ある日、院長から
『このレントゲン写真誰が撮ったんだ?』
という連絡がきました。
技師総出で撮影しているので、誰が撮ったのか?はその時はわかりませんでしたが
『この職員、肺に多発する腫瘍があるぞ!なぜ誰も連絡してこなかったんだ!!』
というお叱りの連絡でした。
その後、主任が呼ばれ、、、、、

そして次の日

『今日からみんなで手分けして、全ての画像の一時読影…いわゆる読影の補助業務をやることになったから』
という一言

この年の数年前から、医師の業務負担軽減を目的とした放射線技師による読影の補助業務が技師会でも話題になっていましたが
まさかこのタイミングで💦
というのが正直な話でした。

みんな口々に
『これってうちらの仕事の範囲か!?💢』

というところからスタートしました。
所見書きと言っても、最初はどうやって書いたら良いのか?みんなそれぞれフォーマットを作り、それぞれの書き方でレポートを終わらせていましたが

最終的には(例)

頭部
頸部〜胸部
腹部〜骨盤(胃、肝、胆、膵、腎、副腎、脾、膀胱、前立腺、子宮、卵巣…)

といったパーツに分けて、それぞれ所見を書いていくのがしっくりきました。
所見がなかったら【n.p】、あった場合はCT値や形状、造影効果の有無、ダイナミックなら濃染パターン(リングエンハンスやwash outなど)
これだけでも疑う疾患があらかた絞られるので、では次はEOB造影でもやろうか、というドクターの一助になります。
しつこいドクターの場合、撮影が終わってすぐに
『所見を述べよ』
としゃしゃり出てくる。これが厄介👿
書くことの内容は、3分くらい画像に目を通せば十分ですが、造影パターンや所見がわかるスライス(画像)をレポートに載せる作業もあるので、1症例に5〜10分くらい要します。
ここで一つ感じるのが、
果たしてこのレポートで大丈夫なのだろうか?ということです。
やり始めの頃は、完成したレポートを別の技師にチェックしてもらう、といった体勢でこなしていましたが、1年も経つと要領を覚えて、サクサク次に進めるようになりました。
ここで一つ落とし穴があって
所見を見つけると、そこにだけに焦点が当たってしまい、、木を見て森を見ず状態だったという状況も多々ありました。
ですので
所見は見つけたけど、コレはコレ、という区切りをつける方法も必要でした。
ドクターの中には、技師のレポートが全てだと決めつけ、重大な腫瘍の見落としをしてしまったケースもあるので、話し半分くらい信じるのが良いのかな、と。

X(旧twitter)を見ていると
プライドが富士山並みに高い医師のアカウントがありますが、
医師より先に画像を観るのが放射線技師なので、やはり技師の声を聞くのも重要だと思いますが、、、
二人の頭脳は一人に勝る、ということわざもあるように、一人では見落としていたかもしれない所見も、数人で見たら見つけられたという経験もあるので。。
ドクターの技師の立場は天と地ほど違いますが(年収ベースでも同様💦)
密に関わっているほど状況を伝えやすいので、接する機会を増やして、負けじと会話に参加していくのが一番必要かもしれないですね。
ですが、医師以外信用していない医師がいるのも事実なので、
この点においては相手を見てどうするか決める
のが最善策かなぁ、と。

ということで
医療はチーム戦であり、敵視するのは病気!
医師もコメディカルも、病気を退治するために集まったパーティーなので
あーだこーだ言ってないで
さっさと手を組んで、患者を1日でも早く退院させてあげることだけ考えれば良くない??

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