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厚労省「大麻等の薬物対策のあり方検討会」への緊急要望について

  2021年5月14日の第6回 厚労省「大麻等の薬物対策のあり方検討会」を前に、一般社団法人北海道ヘンプ協会は、下記の「緊急要望書」を検討会座長、検討委員全員、事務局の厚労省監視指導・麻薬対策課に送付いたしました。薬物対策の強化と医療用大麻の解禁が注目される中、産業用大麻(ヘンプ)の栽培拡大を可能とする大麻取締法の改正についても国民に開かれた議論をしっかりお願いします。            

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                            20221年5月12日
大麻等の薬物対策のあり方検討会
検討会座長、委員各位、事務局御中 

                   一般社団法人 北海道ヘンプ協会  

       今後の「あり方検討」への緊急要望について

これまで5回にわたる検討会での議論に対し心から敬意を表します。
ただし、残念ながら、弊会の『厚生労働省「大麻等の薬物対策のあり方検討会」への緊急声明』でお願いしました諸点に関する議論が極めて不十分であると言わざるを得ません。
このまま検討会が終了すれば、国民の理解が得られないばかりか、わが国のヘンプ産業振興の機会が失われ、国益が棄損することは確実です。今一度、弊会の「緊急声明」をお読みいただき、特に下記について忌憚のない議論をお願い申し上げます。

                  記

①日本の麻文化について、有識者から話題提供を受けたことは評価するが、より広い視野に立って議論するために、世界の大麻事情に詳しい有識者ならびに関係省庁(農水省、経産省)からも話を聞くよう求める。有識者の選任にあたっては、事務局の代弁者を指名したとの誤解を受けることのないよう、バランスの取れた人選を行っていただきたい。

②議事録はすべて公開とし、発言者の承諾を得て氏名を議事録に明記する。国際的にも理解が得られるような大麻取締法への改正に向け、拙速を避け、国民に開かれた慎重審議をお願いする。

③全ての大麻草を一律に禁止する現行法を見直し、栽培目的とTHCの含有量によって品種を区分し、区分に応じた規制を行う。

④THCを含まない花と葉の利用を禁止する部位規制は合理性がないのでこれを廃止し、国際標準となっているTHCの含有率による成分規制に移行する。

⑤THCの含有率が0.3%未満の大麻草を産業用大麻(ヘンプ)として定義し、THC0.3%以上の他の大麻草と区別し、通常の農作物に準じて扱えるようにする。

⑥一定の要件を満たせば、だれでも栽培免許を取得できるようにする。免許申請者の思想信条を審査要件としない。国は、都道府県の知事の許認可事務に対する干渉を控える

⑦産業用大麻の法的規制は農林水産省の所管とし、国の責任において産業用大麻の振興政策を推進し、品種開発、栽培法、利用法に関する研究を行う。

⑧海外の優れたヘンプ品種の種子の輸入が可能となるよう貿易管理令等を改正し、輸入公表に播種用ヘンプ種子の項目を新たに加え、加熱処理の適用外とする。

⑨緊急性の高い医療用大麻の治験を速やかに開始し、法整備を急ぐ。医療用大麻の原料の国内生産が可能となるようにする。

⑩医療用大麻及び嗜好用大麻に関する過度な規制は、産業用大麻への偏見を助長し、ヘンプ産業の発展を阻害する可能性がある。特に、使用罪等の導入など現行法以上の厳罰化による取締り強化は、検討会でもその効果について異論があるので、拙速な結論を避ける。


以上、有用な農作物である産業用大麻(ヘンプ)の国内における栽培とその産業利用を可能とするために大麻取締法を改正し、もってわが国におけるヘンプ産業の振興を図ることが、ヘンプに関する国益を守る上で極めて重要です。薬物規制のあり方が議論の中心であることは理解しておりますが、大麻を巡る世界の状況、流れに十分配慮し、ヘンプビジネスにおいて、一人わが国が遅れを取ることのないよう慎重な検討をお願いいたします。

そのため、各委員におかれましては、専門家として科学者の良心にのみ従い、政治的な忖度を避け、国益=国民の利益を第一とする議論をお願いいたします。また、座長と事務局におかれましては、これまでの政策・見解等に固執することなく、様々な国民の意見にも謙虚に耳を傾け、公正で民主的な検討会の運営をお願い申し上げます。

                               以上。


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