アリスイの長〜い舌に驚いた件
春の手稲山のふもとの林でレアキャラに出会いました。鳴き声はとても目立つのに、正体がわからなかった鳥、アリスイです。
林の広葉樹たちは、どんどん緑の葉っぱを広げていきます。野鳥観察初心者にとっては、条件がどんどん難しくなっています。まるで春の午後、融雪増水で濁る川の中のようです。その緑の林に響き渡るのが、
ク ケケケケケ
という鳴き声。えらく派手なのに発信源が見つからない。遊歩道を右往左往していたら、ベテランバードウォッチャーさんが手招きしてくれました。
アリスイがあそこにいるよ!
見ると、枝の上に乗ってまわりを見回しながら鳴く鳥がいます。あの声の主は「アリスイ」だったんですね。蛇みたいな背中を図鑑で見たことだけはありました。
生のアリスイ、どんな鳥なのか、じっくり観察していると、なんだか口からヒョロヒョロと出しているじゃないですか。
「これでアリをからめとるのね〜」とナットク。ナットクできなかったのはその直後のポーズで、上を向いて口をあけ、なんだか苦しそうに舌を格納しているように見えるのですが、いったい何をしている?
アリスイのペロペロはこちらの動画でどうぞ。
図鑑には「クィクィクィ」と鳴くとありますが、「ク ケケケケケ」にしか聞こえません。
鳴き方のオノマトペはともかく、ベテランさんは教えてくれました。
あの大きさはメスで、オスを呼んでいるんだよ
ベテランさんが教えてくれた通り、「ク ケケケケケ」と鳴いた直後に、離れたところから別の「ク ケケケケケ」の声。
その声が聞こえたとたん、目の前のアリスイは、背伸びをして、あたりを見まわしました。なんだか「ソワソワ」「トキメイテいる」ように見えました。
2020年5月10日
普段は淡水魚 ときどき野鳥 北海道魚類映画社
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